ドッグフードの裏面には「AAFCO基準」「FEDIAF基準」といった言葉が記載されますが、実際に両者の違いを正確に理解できている飼い主は多くありません。

どちらが優れているの?



どちらを基準に選ぶべきなのか?
と迷いやすいテーマでもあります。
しかし、AAFCOとFEDIAFは「どちらが正しい」という関係ではなく、アメリカとヨーロッパという異なる市場環境・飼料規制・歴史の中で形成されてきた基準であり、それぞれに特徴があります。フードの品質そのものを評価する基準ではなく、栄養量を決める考え方や、基準が作られた背景に違いがあるだけです。
本記事では、AAFCOとFEDIAFの“違いそのもの”に焦点を絞り、背景・市場文化・栄養基準の考え方・運用方法などをわかりやすく比較します。どちらの基準をどう活かせば愛犬に合ったフード選びができるのかを整理していきます。
関連記事:AAFCO・FEDIAFとは?犬の栄養基準をやさしく解説|安全なフード選びの必須知識
第1章|AAFCOとFEDIAFが生まれた背景の違い
AAFCOとFEDIAFの違いを理解するためには、まず「なぜ2つの基準が存在するのか?」という背景を知ることが重要です。両者は偶然生まれたわけではなく、アメリカとヨーロッパという市場構造・規制文化・原材料事情がまったく異なる地域で発展してきました。
この章では、両者の誕生背景を比較しながら、基準そのものにどのような思想の違いがあるのかを整理していきます。
アメリカの市場規模と州ごとの規制が、AAFCO誕生の土台に
アメリカは国土が広く、州ごとにルールが異なる分散型の規制文化を持っています。食品・飼料の管理も「州ごとに担当官が存在し、それぞれが判断する」という体制です。
そのため、州間で基準がバラバラだと流通が成り立たないという課題がありました。そこで、州の規制担当者(Feed Control Officials)が集まり、
- ペットフードの表示ルール
- 栄養基準
- 検査方法の指針
などを“共通のモデル”として作る必要がありました。
これが AAFCO(米国飼料検査官協会) が形成された背景です。
AAFCOが“政府機関ではない”にも関わらずアメリカ全土で影響力が大きいのは、州間取引の統一基準として機能してきた歴史があるから です。
EUの「統一規制文化」がFEDIAFを後押しした
一方ヨーロッパは、EU(欧州連合)として
- 食品安全
- 飼料の分類
- 製造基準
などがEU法として統一される文化があります。
そのため、ペットフードにおいても国ごとにバラバラなルールよりも、EU圏で統一基準を作った方が合理的という背景がありました。
FEDIAFは、EU各国のペットフードメーカーが連携し、
- 栄養ガイドライン
- 安全性に関わる運用指針
- 表示の整合性
を共有するための存在として発展してきました。つまり、「アメリカ:州ごとの規制 → AAFCO」「EU:統一規制文化 → FEDIAF」という対照的な構図が、両者の誕生背景にあります。
原材料文化も違いを生んだ
アメリカとヨーロッパでは、ペットフードの原材料として利用される食材にも文化的な違いがあります。
- 肉産業が巨大
- 家畜飼料の歴史が長い
- 動物性タンパク質中心のフードが多い
- 国によって魚文化が強い(北欧など)
- 食品安全基準が細かい
- 動物性・植物性タンパクを組み合わせた多様な配合が一般的
この文化差が、“栄養基準の数値差”というより、“考え方の違い”につながっています。
飼育環境や犬種構成も基準の方向性に影響している
アメリカでは大型犬の飼育が比較的多く、
- 成長期の骨格発達
- 高エネルギーフードの需要
が高い傾向があります。一方ヨーロッパは小型~中型犬の飼育率が高く、
- 関節
- 皮膚
- アレルギー
などの要素を考慮したフードが比較的多い文化です。これが、AAFCOとFEDIAFが成分数値を決める際の「どの犬を基準に置くのか」という設計思想にわずかな差を生む要因となっています。
第1章まとめ
AAFCOとFEDIAFの違いは、
- 規制文化
- 市場構造
- 原材料背景
- 犬の飼育文化
といった地域特性の違いが生んだものです。
どちらが良い・悪いという話ではなく、アメリカとヨーロッパという環境の違いがそれぞれ独自の栄養基準やガイドラインの形成につながっただけという構図です。
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第2章|栄養基準の“考え方”の違いを比較する
AAFCOとFEDIAFはどちらも犬が健康を維持するための栄養基準を定めていますが、実際には“基準の作り方”や“どこを重視するか”に違いがあります。
優劣ではなく、市場と背景の違いから生まれた設計思想の差と言えます。
① AAFCO:NRC(米国科学アカデミー)のデータをベースに実務向けに調整
AAFCOの栄養基準は、NRC(National Research Council:米国科学アカデミー)がまとめた栄養データを土台にしています。
NRCは学術的な研究データを集めた“純粋な科学基準”です。しかし、NRCの数値は研究論文ベースのため、
- 実際のフード製造
- 市販製品の消化性
- 市場での運用
などを考えると、実務上そのままでは使いにくいことがあります。
そこでAAFCOは、「現実の製造・流通を踏まえた実務寄りの基準」に調整して運用しやすい形にしています。
つまりAAFCOは、科学 × 実務(流通・製造)の両面を見て形成された基準と言えます。
② FEDIAF:EUの安全規則を踏まえつつ、より統一性・細分化を重視する
一方FEDIAFは、EUが食品安全や飼料安全に関する統一ルールを持つという背景から、地域全体で誰が見ても一貫性がある基準を重視する傾向があります。また、EU圏は小型犬・中型犬を中心に多様な犬種が存在し、
- 理想体重
- 成長スピード
- 活動量
などに幅があります。
そのためFEDIAFのガイドラインは、犬種・体格・ライフステージごとの“区分の細かさ”や“バランスの取り方”に特徴があるという点が挙げられます。
数値の違いはごく僅かなものですが、「どういう犬をモデルにしているか」という観点で見ると両者は少し違います。
③ 両者は“競合関係ではなく補完関係”に近い
AAFCOとFEDIAFは「どちらが優れているのか?」と比較されがちですが、実際には競争構造にはありません。
| AAFCO | 北米市場の実務を重視 |
|---|---|
| FEDIAF | EU圏の統一性と安全規制を重視 |
というだけで、どちらも科学的根拠にもとづいています。
また、両者の基準値そのものは「大きく異なる」ということはなく、地域の考え方や市場環境の違いが微調整となって現れているというイメージのほうが正確です。
④ 各メーカーはどちらを採用するかを戦略で決めている
実は、多くのメーカーは
- 北米向け → AAFCO
- 欧州向け → FEDIAF
といった流通戦略に合わせて基準を使い分けています。
つまり「栄養学的な優劣で選ぶ」というより流通させる地域に合わせて準拠基準を決めているというのが現実です。日本市場の場合、AAFCO準拠、FEDIAF準拠どちらも存在しますが、どちらも基準としては十分に信頼できます。
第2章まとめ
AAFCOとFEDIAFの“栄養基準の考え方”は、以下のようにまとめられます。
- AAFCO
- → NRCの科学データを基礎に“実務寄りの調整”を行う
- FEDIAF
- → EUの統一規制という文化のもと“整合性と区分の細かさ”を重視する
どちらも科学的で信頼できるが、バックグラウンドが違うため基準の組み立て方に“思想の差”が生まれている、という関係です。
第3章|AAFCOとFEDIAFの運用のされ方はどう違うのか
AAFCOとFEDIAFは“基準そのもの”だけでなく、メーカーがどのように運用しているかにも違いがあります。これはアメリカとEUの市場文化・製造体制・規制の考え方の違いがそのまま反映されたものです。
この章では、両者が実際のペットフード業界でどのように使われているのかを比較し、消費者側が知っておくべきポイントを整理します。
① アメリカ:州ごとの管理を前提に「モデル基準」として使われる
アメリカではAAFCOの基準は法的拘束力を持ちませんが、州が採用するためのモデル基準として機能しています。
州ごとに飼料法が存在するため、
- ラベル表示の統一
- 栄養基準の統一
- 検査の統一
などを行う際に、AAFCOモデルを参照することで全米で製品の記載ルールを揃えられる というメリットがあります。
メーカー側も、「AAFCO準拠にしておくとアメリカ全土に流通しやすい」という事情から、AAFCO基準を積極的に採用しています。
つまりアメリカでは、統一流通のための標準化として運用されている面が強いです。
② EU:すでに統一安全規則があるためFEDIAFはガイドラインとしての役割が強い
EU圏には「飼料の安全規則」がすでに存在し、原材料の扱い・衛生管理・トレーサビリティなどはEU法で定められています。
そのためFEDIAFは、EU規則に沿って各メーカーが参考にするための栄養ガイドラインというポジションで広く使われています。
アメリカのAAFCOほど「流通を成り立たせるための基準」という色は強くなく、むしろ
- 統一的な栄養設計
- 消費者にとってのわかりやすさ
- 業界全体の品質向上
を目的としたガイドラインとして浸透しています。
③ メーカーがどちらを採用するかは“市場戦略”で決まる
世界的なドッグフードメーカーは、
- 北米市場向け → AAFCO準拠
- EU市場向け → FEDIAF準拠
というように、販売地域に合わせて準拠基準を切り替えることが一般的です。これは各地域の
- 規制文化
- 流通の仕組み
- 市場の期待値
が違うためです。つまり、メーカーは栄養学的な優劣で基準を選んでいるわけではなく、マーケットフィットのために基準を選んでいると理解するのが正確です。
④ 日本市場では双方が混在しており、どちらも広く受け入れられている
日本に輸入されるフードは、北米系(AAFCO参考)、ヨーロッパ系(FEDIAF参考)のどちらも存在します。
日本の法律では、「どちらの基準を採用しないと販売できない」という制限はなく、どちらの基準に基づいていても総合栄養食として販売可能です。
消費者側が知っておくべきポイントは、準拠基準の違いより、原材料や製造環境の質のほうが圧倒的に重要ということです。
⑤ メーカーごとの“基準の活かし方”にも差がある
同じAAFCO準拠・FEDIAF準拠でも、メーカーごとに栄養設計の考え方は異なります。例えば
- 高たんぱくを重視するメーカー
- 消化性を重視するメーカー
- 皮膚・被毛ケアにフォーカスするメーカー
- アレルギー配慮設計を行うメーカー
など、方向性は様々。
つまり、準拠基準が同じ=フードの思想・品質も同じという意味ではありません。AAFCO・FEDIAFは“最低土台”であり、その上の設計思想がフードの個性を生みます。
第3章まとめ
アメリカとEUの市場文化の違いによって、AAFCOとFEDIAFは運用方法に特徴があります。
- アメリカ:州ごとの規制を統一するための“実務基準”
- EU:既存の安全規則を補完する“栄養ガイドライン”
- メーカーは市場戦略で準拠基準を選ぶ
- 日本には両方が流通しており、どちらも信頼性がある
運用の違いを知ることで、単に“どちらの基準か”だけでフードを選ぶ必要がないことが分かるはずです。
第4章|AAFCO準拠フードの特徴・メリット・注意点
AAFCOはアメリカで広く利用される栄養基準であり、日本市場でも“AAFCO準拠”は非常に一般的です。しかし、AAFCOの本質は「アメリカ市場の実務に合わせて発展してきた基準」であり、これを理解すると、AAFCO準拠フードの特徴がより正確に見えてきます。
この章では、AAFCO準拠フードの特徴を整理します。
① AAFCO準拠=アメリカで広く流通するための“標準化された基準”
AAFCOの強みは、アメリカ全土でフードが販売しやすくなるための統一指針として機能している点です。アメリカは州ごとに飼料法が異なるため、
- 栄養表示
- ラベルの文言
- 総合栄養食の条件
といった部分の統一が必要でした。
そのため、AAFCO準拠であることは、アメリカ流通市場で求められる最低限の表示・栄養基準を満たしているという意味になります。
② AAFCOの栄養基準はNRCの科学データをベースにしつつ実務寄りに調整されている
AAFCO自体は研究機関ではありませんが、NRC(米国科学アカデミー)が公表した栄養要求量の研究データをベースにして基準が作られています。
NRCが「研究寄りの純学術データ」であるのに対し、AAFCOは「市販フードの製造現場でも運用できる指針」へ調整しています。
- フードの加工で栄養素が減少すること
- 消化性の違い
- 市販品の許容範囲
などを考慮している点がポイントで、これは科学的に事実です。
③ AAFCO準拠フードのメリット
メリット1:世界的に採用されているため情報量が多い
AAFCO準拠は北米を中心に広く普及しているため、
- 研究
- 製品情報
- 改善事例
が見つかりやすいという利点があります。これは普及の広さから生まれる実務的なメリットです。
メリット2:栄養量の過不足を判断する最低ラインが明確
AAFCOには子犬期・成犬期などライフステージ別の最低必要量が定められており、「最低限必要なラインがどこか」が分かりやすいのが強みです。
メリット3:アメリカ系の高品質フードはAAFCO準拠が一般的
アメリカのプレミアムフードはAAFCO準拠が基準であり、高品質フード=AAFCO準拠というより「アメリカの高品質フードは、基本的にAAFCO準拠の上で設計されている」という正確な言い方になります。
④ 注意点:AAFCO準拠=品質が保証されるわけではない
ここは絶対に誤解させてはいけない部分なので慎重に書きます。AAFCOの基準はあくまで栄養量の最低ラインを定めたもので、
- 原材料の質
- 油脂の鮮度
- 製造管理
- 衛生状況
などの「品質そのもの」は保証しません。そのため、AAFCOを満たしていても、粗悪な原料のフードは存在する。というのは事実です。
逆に言えば、AAFCOを満たさない=悪いフードという意味でもありません。AAFCOは「栄養量の基準」であって「品質基準」ではないためです。
⑤ 注意点:AAFCOの数値は“万能”ではなく、犬の個体差に完全対応はしない
AAFCOの栄養基準は多くの犬にとって平均的に必要な量を示したものであり、
- 活動量が極端に多い犬
- 消化が弱い犬
- 特定の病歴がある犬
などの個体差までは反映されていません。
第4章まとめ
AAFCO準拠フードには以下の特徴があります。
- アメリカ市場での標準化により広く流通するための基準
- NRCの研究データを実務向けに調整した数値
- 世界的に普及しているため情報が豊富
- 栄養量の最低ラインを分かりやすく示す
- ただし品質の保証ではない
- 犬の個体差を完全に反映するものではない
関連記事:グレインフリーとグルテンフリーの違いは?ペットフード選びで失敗しないための完全ガイド
第5章|FEDIAF準拠フードの特徴・メリット・注意点
FEDIAFはヨーロッパのペットフード業界団体が作成している栄養ガイドラインであり、EUの飼料安全規則に沿って設計されています。AAFCOと同様に「優劣」を語るものではなく、ヨーロッパの飼育環境や原材料文化を背景に発展してきた点に特徴があります。
この章ではFEDIAF準拠フードの特徴を整理し理解につなげます。
① FEDIAFは“EUの飼料安全規則に沿ったガイドライン
FEDIAFはEUの公式規制そのものではありませんが、EUで定められた飼料関連のルールに基づいて、ペットフードメーカーが参照できる形にまとめられたガイドラインです。
EUは食品・飼料に関する安全規則が厳しく統一されている地域であり、FEDIAFのガイドラインも「EU圏全体で整合性を保つこと」を重視しています。この点はアメリカのAAFCOとは異なる特徴です。
② 犬種・体格・ライフスタイルの多様性を考慮した区分設計
ヨーロッパは国によって
- 寒冷地域
- 温暖地域
- 大型犬の多い地域
- 小型犬の多い地域
など環境が大きく異なります。
そのためFEDIAFのガイドラインは、幅広い犬種・体格に対応できるよう、栄養設計の区分が丁寧に整えられているという特徴があります。
数値そのものの差が大きいわけではありませんが、モデル犬の設定”や“調整の考え方にヨーロッパらしさが見られます。
③ FEDIAF準拠フードのメリット
メリット1:EUの安全規則と相性が良く、透明性が高い
EUでは食品・飼料に対してトレーサビリティ(原材料の追跡)や衛生管理が重視されています。その中でFEDIAFは、栄養ガイドラインを「安全規則と矛盾しない形」でまとめているため、EU圏での製造と相性が良い基準です。
メリット2:多様な犬種を念頭に置いた設計思想
ヨーロッパは犬種構成が幅広いため、「特定の犬種に偏りすぎない基本設計」を意識したガイドラインになっています。
メリット3:欧州のプレミアムフードで多く採用されている
ヨーロッパでは、原材料の産地情報・生産工程へのこだわりを持つメーカーが多く、その背景もあってFEDIAF準拠は一般的です。
特に「原材料の透明性を重視する欧州ブランド」と相性が良い傾向があります。
④ 注意点:AAFCO同様、原材料の質・安全性そのものは保証しない
FEDIAFの基準が定めているのは栄養量のガイドライン であり、品質そのものを判断する基準ではありません。
- 原材料のランク
- 油脂の酸化管理
- 衛生管理
- 製造工程のレベル
といった部分は別の評価軸になります。この点はAAFCOと同じで、FEDIAF準拠=品質の保証ではありません。
⑤ 注意点:どちらが優れているという性質のものではない
AAFCOとFEDIAFは「同じ目的(栄養基準)」を持ちながら、
- アメリカ市場の需要
- EU市場の需要
- 歴史
- 原材料文化
といった背景の違いによって、わずかな差があるだけです。どちらかを“上位基準”と考える必要はありません。
第5章まとめ
FEDIAF準拠フードの特徴を整理すると次の通りです。
- EUの飼料規則に沿ったガイドラインで、整合性が高い
- 多様な犬種・体格に対応できるような設計思想
- 欧州プレミアムフードで一般的
- 原材料の質や安全性そのものを保証する基準ではない
- AAFCOと優劣を比較するものではなく、地域背景の違いが反映されている
第6章|どちらを選ぶべきか?正しい判断軸
AAFCOとFEDIAFは、「どちらが優れているか」を比較するために作られた基準ではありません。どちらも犬の健康維持に必要な栄養量を満たすための指針であり、優劣の議論ではなく適性の視点が重要です。
この章では、両者の違いを理解したうえで、実際に愛犬のフードを選ぶときの判断軸を整理します。
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① 基準だけで良し悪しは決まらない
AAFCOとFEDIAFのどちらも、栄養量の最低基準、表示に関する考え方を示すものです。一方で、
- 原材料の質
- 製造管理
- 油脂の扱い
- 保存性
など、フードの品質に直結する要素は基準の外側にあります。したがってどの基準に準拠しているかだけでは、フードの質は判断できません。まずここを前提として理解しておくことが重要です。
② AAFCOとFEDIAFの違いは地域文化の差でしかない
両者の基準を比較しても、科学的根拠・栄養要求量の考え方・犬の健康維持を目的とする点は同じです。異なるのは
- アメリカ市場の構造
- EUの統一規則
- 犬種構成の違い
- 原材料文化
といった地域特性です。
これらの違いが、基準の細かい部分や設計思想に影響しているだけであり、どちらかが明確に優れているという性質のものではありません。
③ どちらを選ぶか”よりもどんなフードなのか”がはるかに重要
AAFCOかFEDIAFかという基準よりも、実際の品質に直結する項目を重視したほうが、犬の健康には確実にプラスです。重視すべきポイントは以下のような部分です。
原材料の質
- どのタンパク源か
- どの部位を使っているか
- 原料の透明性
油脂の鮮度・管理
- 酸化しにくい処理
- 適切な包装
製造環境
- 工場の衛生基準
- 品質管理体制
愛犬の個体差
- 便の状態
- 皮膚・被毛の状態
- 活動量
- アレルギーの有無
基準は「入口」でしかなく、最終的に愛犬に合うかどうかは、実際の品質と個体差で決まります。
④ 日本で選ぶ場合の現実的な考え方
日本市場には
- AAFCO準拠
- FEDIAF準拠
両方のフードが流通しており、どちらも問題なく選べます。選び方として現実的なのは以下です。
選択肢が多いのはAAFCO準拠
アメリカ系ブランドが豊富なため、ラインナップは多い。
原材料の透明性にこだわるメーカーはFEDIAF準拠が多い傾向
EUは食品安全規則が厳しいため、「安全性」「透明性」を重視するブランドが多い。
とはいえ、どちらも“傾向”の範囲で、フードの質そのものを決める要因ではありません。
⑤ 最終判断は「愛犬にどう影響するか」で決めるべき
AAFCO・FEDIAFともに妥当な栄養基準ですが、最終的に判断すべきは以下の点です。
- 便の質が安定するか
- 皮膚・被毛のコンディションが良いか
- 体重管理がしやすいか
- 匂い・消化に問題がないか
基準の違いを理解することは役に立ちますが、実際のフード選びは愛犬の変化を見ることが最も正確です。
第6章まとめ
AAFCOとFEDIAFはどちらも信頼できる栄養基準であり、優劣をつける必要はありません。選ぶべきなのは基準ではなく、愛犬に合い、品質管理が優れ、原材料の透明性が高いフードです。
どちらの基準に準拠しているかはフード選びのごく初歩であり、最終的な評価軸は愛犬の体の反応で決まります。
まとめ・総括
AAFCOとFEDIAFは、どちらも犬が健康を維持するために必要な栄養量を示すための基準です。しかし、両者が生まれた背景や運用のされ方には違いがあります。
これらの違いは「優劣」ではなく、それぞれの地域の市場構造・規制文化・原材料事情によって形成されたものです。
AAFCOとFEDIAFの違いは“地域背景”を反映したものに過ぎない
アメリカでは広大な市場と州ごとの規制を統一する必要があり、AAFCOは実務的な指針として発展してきました。ヨーロッパでは食品・飼料の統一規則が整備されており、FEDIAFはその枠組みに沿ったガイドラインとして浸透しています。
基準の細かい差は、こうした市場特性や歴史が反映された形です。
どちらも信頼できる栄養基準。品質の保証とは別軸
AAFCOもFEDIAFも、
- 栄養量
- 表示ルール
を中心とした基準であり、原材料の質や製造管理そのものを評価するものではありません。
同じ基準に準拠していても、品質の差は原材料の扱い方や製造工程で大きく変わります。そのため、基準は“出発点”に過ぎないという理解が重要です。
フード選びで最も大切なのは“愛犬に合うかどうか”
AAFCOかFEDIAFかではなく、フードの実際の内容や愛犬の体質との相性こそが判断の中心になります。
- 便の状態
- 皮膚や被毛のコンディション
- 体重の管理
- 消化のしやすさ
これらの変化を見ることで、基準以上に確かな判断ができます。
両基準を正しく理解すると迷わず選べる
AAFCOとFEDIAFはどちらも科学的根拠に基づいており、世界中で信頼されている基準です。その違いを理解すると、「どちらを選べばいいのか?」ではなく、どのフードが自分の犬にとって最適か?という本質的な視点で選べるようになります。
基準は指針であり、最終的に選ぶべき答えは愛犬の体が示してくれます。









