イタリアングレーハウンドは、細身でしなやかな体と上品な雰囲気から「静かで飼いやすい小型犬」という印象を持たれやすい犬種です。ソファで丸くなって過ごす姿を思い浮かべ、穏やかな愛玩犬を想像する方も多いでしょう。
しかし実際には、運動能力が高く、感受性が非常に繊細で、生活環境や接し方の影響を強く受ける犬種です。見た目の優雅さだけで迎えると、寒さ対策や骨折リスク、精神的なケアの面で戸惑うことがあります。
この記事では、イタリアングレーハウンドの成り立ちや特徴、性格、飼いやすさ、日常ケア、注意したい病気、子犬期の育て方、費用目安までを、犬図鑑として体系的に解説します。
第1章|イタリアングレーハウンドの基本的な特徴

イタリアングレーハウンドは、サイトハウンド(視覚で獲物を追う犬)の系統に属する小型犬です。グレーハウンドを小型化した犬種ではありますが、単なるミニチュア版ではなく、独自の歴史と役割を持っています。
家庭犬として迎える場合は、細身な体格や犬種特性を正しく理解することが重要になります。
イタリアングレーハウンドの原産と成り立ち
原産はイタリアとされ、古代ローマ時代にはすでに存在していたと考えられています。当初は小動物の狩猟や、貴族階級の伴侶犬として飼育されてきました。
この背景から、イタリアングレーハウンドは
- 人と一緒に過ごすことを好む
- 視覚と瞬発力に優れる
- 単独で判断して走る能力を持つ
といった性質を備えています。
イタリアングレーハウンドの体格とサイズ
非常に細身で、脚が長く、無駄な脂肪の少ない体型が特徴です。
- 体高:約32〜38cm
- 体重:約3〜5kg
体重は軽いものの、骨も細いため、落下や衝突による骨折リスクが高い犬種です。
被毛の特徴と外見
被毛は短く密着したシングルコートで、手触りはなめらかです。換毛は比較的少なく、体臭も強くありません。
毛色は、
- フォーン
- ブルー
- ブラック
- ホワイト
などがあり、単色が基本です。
イタリアングレーハウンドの寿命
平均寿命は12〜15年程度とされ、小型犬としては標準的です。適切な体重管理と事故防止、寒さ対策を行うことで、健康的に長く暮らしやすい犬種です。
第1章まとめ表|イタリアングレーハウンドの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犬種名 | イタリアングレーハウンド |
| 原産国 | イタリア |
| 分類 | 小型犬 |
| 体高 | 約32〜38cm |
| 体重 | 約3〜5kg |
| 被毛 | シングルコート(短毛) |
| 抜け毛 | 少なめ |
| 平均寿命 | 約12〜15年 |
| 本来の役割 | 小型狩猟犬・伴侶犬 |
第2章|イタリアングレーハウンドの性格

イタリアングレーハウンドの性格は、「おとなしくて扱いやすい小型犬」というイメージだけで語ると、実像から大きく外れてしまいます。
この犬種は、サイトハウンド特有の気質と、超小型犬ならではの繊細さを併せ持つ、感情反応の幅が大きい犬種です。
性格を正しく理解することは、しつけや飼いやすさ以前に、ストレスや問題行動を防ぐための前提条件になります。
繊細で感受性が非常に高い
イタリアングレーハウンドは、音・視線・人の感情変化に対して敏感に反応します。大きな物音、急な動き、強い口調などに驚きやすく、恐怖体験が蓄積すると警戒行動や萎縮につながることがあります。
これは臆病というよりも、刺激処理能力が高い犬種特性によるものです。そのため、無理に慣らそうとするよりも、「安心できる環境を維持する」ことが性格安定につながります。
飼い主への依存度が高く、距離が近い
信頼した飼い主に対しては、非常に強い愛着を示します。常に視界に入っていたがる、体を密着させて休むといった行動が多く見られます。
この傾向は、古くから人のそばで暮らす伴侶犬として飼育されてきた歴史とも一致します。一方で、構いすぎると分離不安が強まりやすいため、
- 常に抱き上げない
- ひとりで落ち着く時間を意識的に作る
といったバランスが重要です。
室内では穏やか、外では本能が強く出る
室内では静かに過ごす個体が多く、落ち着いた印象を受けやすい犬種です。しかし、屋外ではサイトハウンドとしての本能がはっきり現れます。
- 動くものを視認した瞬間に反応する
- 急に走り出そうとする
こうした行動はしつけ不足ではなく、視覚優位の犬種特性によるものです。そのため、散歩中のノーリードや、脱走リスクには特に注意が必要です。
攻撃性は低いが、恐怖回避行動は出やすい
イタリアングレーハウンドは、攻撃性が低く、咬みつくタイプの犬種ではありません。ただし、恐怖を感じた際には
- 逃げる
- 固まる
- 震える
といった反応が出やすい傾向があります。
これを「性格の問題」と誤解してしまうと、対応を誤りやすくなります。恐怖刺激を減らし、犬が選択できる距離を保つことが重要です。
知能は高いが、命令型のしつけには向かない
理解力は高く、人の行動や生活リズムをよく観察しています。一方で、「命令に従うこと自体を喜ぶタイプ」ではありません。
強制的なトレーニングや叱責は、萎縮や回避行動につながりやすいため、
- 成功体験を積ませる
- 静かな褒め方を中心にする
といった方法が適しています。
第2章まとめ表|イタリアングレーハウンドの性格
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本的な性格 | 繊細で感受性が高い |
| 人懐っこさ | 高い(特定の相手に強い) |
| 依存傾向 | 出やすい |
| 攻撃性 | 低い |
| 恐怖反応 | 出やすい傾向 |
| 運動本能 | 高い(視覚反応型) |
| 吠えやすさ | 低〜中程度 |
| しつけ適性 | 強制型は不向き |
第3章|イタリアングレーハウンドの飼いやすさ・向いている家庭

イタリアングレーハウンドは「小型で静か」「室内向き」といった理由から、飼いやすい犬種として紹介されることがあります。しかし実際には、飼いやすさは飼い主の生活スタイルに強く依存する犬種であり、万人向けとはいえません。
この章では、「なぜ飼いやすいと感じる人がいるのか」「なぜ負担に感じる人が出やすいのか」を、性格・身体構造・発達段階の観点から整理します。
飼いやすいと感じやすい理由
イタリアングレーハウンドは、室内では比較的静かに過ごす個体が多く、無駄吠えも少なめです。被毛が短く、体臭も強くないため、日常的な掃除やケアの負担は軽めに感じられます。
また、運動量は「毎日長時間必要」というタイプではなく、
- 1日30分前後の散歩
- 安全な環境での軽い自由運動
で満足する個体が多い点も、飼いやすさとして挙げられます。
こうした点から、静かな室内飼育を想定している家庭では、扱いやすい犬種と感じられることがあります。
飼いにくさを感じやすい要因
一方で、飼育を始めてから負担を感じやすい要因も明確です。
まず大きいのが、骨折リスクの高さです。体重が軽く、骨が細いため、
- ソファやベッドからの飛び降り
- 滑りやすい床での転倒
- 抱っこ中の落下
といった日常的な事故が、重大なケガにつながりやすい犬種です。
また、寒さに非常に弱く、季節によって生活管理の負担が大きくなります。冬場は暖房管理や防寒具が前提となり、「何もしなくても快適に飼える犬」ではありません。
さらに、精神的に繊細なため、
- 留守番時間が長い
- 生活リズムが不規則
- 来客や環境変化が多い
といった家庭では、ストレスを溜めやすくなります。
向いている家庭・飼い主の特徴
イタリアングレーハウンドは、犬に生活を合わせる意識を持てる家庭に向いています。
具体的には、
- 在宅時間が比較的長い
- 室内環境を安全に整えられる
- 寒さ対策や事故防止を継続できる
- 犬の変化に敏感に気づける
こうした条件が揃うと、非常に穏やかで飼いやすいパートナーになります。
また、「しつけでコントロールする」というよりも、「環境と関係性で安定させる」という考え方ができる飼い主との相性が良い犬種です。
向いていない可能性が高い家庭
一方で、以下の条件が重なる場合は、負担を感じやすくなります。
- 長時間の留守番が日常的
- 犬を一人で過ごさせる時間が多い
- 活発で賑やかな家庭環境
- 事故対策や温度管理を軽視しがち
また、「小型犬=丈夫」「小さいから気を遣わなくていい」という認識で迎えると、想定外のトラブルにつながりやすい犬種です。
初心者に向いているかどうか
イタリアングレーハウンドは、犬の飼育が初めての人にとって難易度はやや高めです。理由は、しつけ技術よりも「環境管理」「観察力」「配慮」が求められるためです。
ただし、事前に犬種特性を理解し、学ぶ姿勢がある初心者であれば、飼育が不可能な犬種ではありません。「楽だから選ぶ犬」ではなく、「理解したうえで迎える犬」といえます。
第3章まとめ表|イタリアングレーハウンドの飼いやすさ
| 観点 | 評価 |
|---|---|
| 室内適性 | 高い |
| 無駄吠え | 少なめ |
| 運動量 | 中程度 |
| 骨折リスク | 高い |
| 寒さ耐性 | 非常に低い |
| 留守番耐性 | 低め |
| 環境依存度 | 高い |
| 初心者適性 | 低〜中(理解前提) |
第4章|イタリアングレーハウンドの飼い方と日常ケア

イタリアングレーハウンドの飼育で最も重要なのは、「しつけ」よりも生活環境の設計と日常管理です。問題行動や体調不良と見なされがちな多くのトラブルは、実際には犬種特性と生活環境のミスマッチから生じます。
この章では、運動・温度・事故防止・精神面の4点を軸に、日常ケアの考え方を整理します。
運動量と散歩の考え方
イタリアングレーハウンドは運動能力が高い犬種ですが、常に長時間の運動を必要とするタイプではありません。
重要なのは、量よりも「質」と「安全性」です。
目安としては、
- 1日1〜2回、合計30分前後の散歩
- 直線的に歩くだけでなく、匂いを嗅ぐ時間を含める
走る本能は強いため、ノーリードでの運動は脱走や事故のリスクが高くなります。ドッグランを利用する場合も、地面の滑りや他犬との接触には注意が必要です。
成長期(生後4〜10か月頃)は骨が未成熟なため、
- 急なダッシュ
- ジャンプ
- 階段の昇降
を繰り返させない配慮が必要です。
寒さ対策と温度管理
イタリアングレーハウンドは、被毛が非常に短く、皮下脂肪も少ないため、寒さへの耐性が極めて低い犬種です。寒さは単なる不快感ではなく、体調不良や免疫低下につながるリスクがあります。
- 冬場は室温管理が前提
- 散歩時は防寒着を使用
- 床からの冷え対策(マット・ベッド)
また、寒さによる体のこわばりは、転倒や骨折リスクを高める要因にもなります。
事故防止を最優先に考える
イタリアングレーハウンドの飼育で最も重要なポイントが、事故防止です。骨が細く、衝撃に弱いため、日常的な動作が重大なケガにつながる可能性があります。
特に多い事故要因は、
- ソファやベッドからの飛び降り
- フローリングでの滑り
- 抱っこ中の落下
そのため、
- 滑りにくい床材
- 段差へのステップ設置
- 高所への立ち入り制限
といった「環境で防ぐ対策」が不可欠です。
留守番と精神的ケア
イタリアングレーハウンドは、人との距離が近い犬種であるため、長時間の留守番が続くと精神的な負担を感じやすくなります。ただし、常に構い続けることが正解ではありません。
- 短時間の留守番から段階的に慣らす
- 外出前後を過剰に演出しない
- 安心できる休息スペースを用意する
こうした対応によって、分離不安のリスクを抑えやすくなります。
日常ケアの基本ポイント
被毛は短く、ブラッシングの頻度は多くありませんが、皮膚がデリケートなため、清潔を保つことが重要です。
- ブラッシングは週1〜2回
- シャンプーは汚れ具合に応じて
- 歯のケアは早期から習慣化
歯周病は小型犬全般に多く、イタリアングレーハウンドも例外ではありません。
第4章まとめ表|イタリアングレーハウンドの飼い方と日常ケア
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 運動量 | 1日30分前後 |
| 運動の質 | 安全性重視 |
| 寒さ対策 | 必須 |
| 温度管理 | 室内管理前提 |
| 骨折対策 | 最重要 |
| 床環境 | 滑り止め必須 |
| 留守番 | 段階的に慣らす |
| 日常ケア | 歯・皮膚管理重視 |
第5章|イタリアングレーハウンドがかかりやすい病気

イタリアングレーハウンドは、体格が非常に特殊な犬種であるため、一般的な小型犬とは異なる注意点があります。
ここで重要なのは、「病気になりやすい犬」という誤解ではなく、体の構造と生活環境が影響しやすい犬種だという理解です。
多くのトラブルは、遺伝的要因だけでなく、成長期の扱い方や日常管理によって発生リスクが大きく変わります。
骨折・外傷(最も注意すべきリスク)
イタリアングレーハウンドで最も多く見られるのが、骨折や外傷です。
骨が細く、筋肉量も少ないため、日常的な衝撃が大きなダメージにつながりやすい構造をしています。
特に多いのは、成長期(生後4〜10か月頃)の前脚・後脚の骨折です。この時期は骨密度が十分に形成されておらず、軽い落下や急な着地でも骨に負荷がかかります。
注意点としては、
- ソファやベッドからの飛び降り
- フローリングでの滑り
- 抱っこ中の落下
といった、ごく日常的な動作が原因になるケースが多いことです。
歯周病・口腔トラブル
顎が細く、歯が密集しやすい構造のため、歯石が溜まりやすい傾向があります。歯周病は進行すると、口臭や歯の脱落だけでなく、全身状態に影響を及ぼすこともあります。
イタリアングレーハウンドの場合、被毛が短く口周りの汚れが目立ちにくいため、異変に気づくのが遅れやすい点も注意が必要です。
対策として重要なのは、
- 子犬期から歯磨きに慣らす
- 定期的に口腔内を確認する
といった、日常的な予防ケアです。
低体温・寒さによる体調不良
被毛が短く、皮下脂肪が少ないため、寒さに弱い犬種です。気温が低い環境では体温を維持しにくく、震えや元気消失といった症状が出ることがあります。
特に、
- 冬場の早朝・夜間の散歩
- 冷えた床での長時間の休息
などが重なると、体調を崩しやすくなります。
寒さによる不調は病気として見逃されやすいため、環境管理による予防が重要です。
消化器トラブル(ストレス性が多い)
消化器系は比較的デリケートで、環境変化や精神的ストレスが下痢や嘔吐として現れることがあります。引っ越し、来客、生活リズムの乱れなどがきっかけになるケースも少なくありません。
また、食事量が少ない犬種のため、急なフード変更や食事間隔の乱れが体調に影響しやすい点も特徴です。
消化器トラブルが続く場合は、食事内容だけでなく、生活環境全体を見直す必要があります。
皮膚トラブル(乾燥・刺激によるもの)
短毛で皮膚が露出しやすく、乾燥や外部刺激の影響を受けやすい犬種です。頻繁なシャンプーや、合わないケア用品によって、かゆみや赤みが出ることがあります。
皮膚トラブルを防ぐためには、
- 洗いすぎを避ける
- 保湿を意識する
といった、過度にならないケアが重要になります。
第5章まとめ表|イタリアングレーハウンドが注意したい病気
| 病気・症状 | 特徴・注意点 |
|---|---|
| 骨折・外傷 | 成長期に特に多い |
| 歯周病 | 予防ケアが重要 |
| 低体温 | 寒さ対策必須 |
| 消化器トラブル | ストレス要因が大きい |
| 皮膚トラブル | 乾燥・刺激に注意 |
第6章|イタリアングレーハウンドの子犬期の育て方

イタリアングレーハウンドの子犬期は、将来の飼いやすさと健康状態を大きく左右する重要な時期です。体が小さく扱いやすそうに見えますが、実際には身体的にも精神的にも非常に繊細で、接し方を誤ると問題が表面化しやすい犬種です。
この章では、生後の発達段階を踏まえながら、注意すべきポイントを整理します。
社会化は「慎重さ」を最優先に進める
イタリアングレーハウンドは、恐怖刺激に対する感受性が高いため、社会化の進め方が非常に重要です。一般的な「とにかく慣らす」という方法は、この犬種では逆効果になることがあります。
特に生後2〜6か月頃は恐怖感受性期と重なり、強い刺激や無理な体験が、その後の警戒心や不安行動につながる可能性があります。
社会化で意識したい点は、
- 人や環境に“慣れさせる”より“安心させる”
- 無理に触らせず、距離を保った接触
- 嫌がるサインを見逃さない
という姿勢です。
しつけは「従わせる」より「理解させる」
イタリアングレーハウンドは知能が高く、状況判断力に優れていますが、命令に従うこと自体を喜ぶ犬種ではありません。強い口調や叱責は、恐怖や萎縮につながりやすくなります。
生後3〜7か月頃は、学習能力が高まる一方で、失敗体験も記憶に残りやすい時期です。成功体験を積ませ、静かに褒める対応が適しています。
しつけで意識したい点は、
- 短時間で終わらせる
- 一貫したルールを守る
- できた行動を確実に評価する
といった、シンプルで予測可能な関わり方です。
成長期の運動管理と骨への配慮
イタリアングレーハウンドの子犬期で最も注意すべきなのが、骨と関節への負担です。見た目以上に運動能力が高いため、遊びすぎやジャンプが続くと、骨折や関節トラブルの原因になります。
特に生後4〜10か月頃は、体が急激に成長する時期であり、骨密度が十分に安定していません。この時期は「疲れていないように見えても制限する」意識が重要です。
注意点としては、
- 高い場所からの飛び降りをさせない
- 階段の昇降を控える
- 室内でも滑りにくい環境を整える
といった、事故予防を最優先に考えます。
留守番は早期から段階的に慣らす
飼い主への依存が強く出やすい犬種のため、子犬期から留守番の練習を行うことが重要です。ただし、急に長時間ひとりにするのは逆効果になります。
生後3か月以降は、短時間の外出から始め、「ひとりでいても何も起こらない」という経験を積ませることが大切です。
留守番練習で意識したいのは、
- 外出前後を大げさにしない
- 安心できる寝床を用意する
といった、生活リズムを安定させる工夫です。
甘やかしと自立のバランス
体が小さく、可愛らしい見た目から、常に抱っこしたり、要求にすぐ応じてしまいがちです。しかし、過度な介入は自立心の形成を妨げ、分離不安を助長することがあります。
子犬期から、
- 自分で休む時間を作る
- 常に構い続けない
といった距離感を意識することで、精神的に安定しやすくなります。
第6章まとめ表|イタリアングレーハウンドの子犬期
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 社会化 | 慎重・安心重視 |
| しつけ | 強制せず理解重視 |
| 学習時期 | 生後3〜7か月が重要 |
| 骨への配慮 | 最優先事項 |
| 運動管理 | 制限が必要 |
| 留守番 | 短時間から段階的に |
| 依存対策 | 距離感を意識 |
第7章|イタリアングレーハウンドの費用目安

イタリアングレーハウンドは小型犬に分類されますが、「小型犬=安く飼える」と考えて迎えると、費用面でギャップを感じやすい犬種です。
理由は、体の繊細さからくる医療・環境対策コストと、寒さ対策などの付随費用が発生しやすいためです。
この章では、迎え入れ時と継続的な費用を分けて整理します。
迎え入れ時にかかる初期費用
イタリアングレーハウンドの子犬価格は、血統・ブリーダー・地域差が大きい犬種です。国内では比較的高値で取引される傾向があります。
一般的な目安としては、
| 子犬代 | 30万〜60万円前後 |
| ケージ・ベッド・食器・首輪など | 2万〜4万円 |
| ワクチン・健康診断 | 2万〜4万円 |
初期費用の合計は 35万〜70万円前後 を見込む必要があります。
体が細く、市販用品のサイズ選びに失敗しやすいため、買い直しが発生するケースも少なくありません。
年間維持費の目安
日常的なフード量は少なめですが、医療・ケア関連の費用は軽視できません。特に骨折や歯のトラブルに備えた医療費の余裕は重要です。
年間費用の目安は、
| フード・おやつ6 | 6万〜10万円 |
| ケア用品・消耗品 | 2万〜4万円 |
| 医療費(予防・軽度診療) | 3万〜6万円 |
合計で 年間10万〜18万円前後 が一般的な範囲になります。※骨折などの大きな医療費は別途発生する可能性があります。
防寒・環境対策にかかる追加コスト
イタリアングレーハウンド特有の費用として、寒さ対策関連があります。洋服、室内マット、空調管理などは、単発ではなく継続的な支出になりやすい点が特徴です。
これらは必須経費ではないと考えられがちですが、実際には体調管理・ケガ防止に直結します。
費用面で意識しておきたい考え方
イタリアングレーハウンドは、「食費が安いから小型犬は楽」というタイプではありません。
むしろ、
- 医療リスクを前提に備える
- 環境整備にコストをかける
という意識があるかどうかで、負担感が大きく変わります。初期費用だけで判断せず、長期的な生活コストを見据えて迎えることが重要です。
第7章まとめ表|イタリアングレーハウンドの費用目安
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 子犬代 | 30万〜60万円 |
| 初期医療費 | 2万〜4万円 |
| 初期用品代 | 2万〜4万円 |
| 初期費用合計 | 約35万〜70万円 |
| 年間フード代 | 6万〜10万円 |
| 年間医療・ケア | 5万〜10万円 |
| 年間維持費合計 | 約10万〜18万円 |
まとめ|イタリアングレーハウンドを迎える前に知っておきたいこと
イタリアングレーハウンドは、細身で優雅な見た目から「静かで飼いやすい小型犬」という印象を持たれやすい犬種です。しかし実際には、身体的にも精神的にも非常に繊細で、飼い主側の配慮が強く求められる犬種であることが、本記事を通して見えてきます。
まず理解しておきたいのは、この犬種が「丈夫さ」や「適応力の高さ」で飼いやすいタイプではないという点です。
骨が細く骨折リスクが高いこと、寒さへの耐性が極めて低いこと、環境や人の変化に敏感であることなど、どれも犬種特性に基づく事実です。これらはしつけや気合で解決できるものではなく、生活環境そのものを調整する必要がある要素です。
一方で、特性を理解し、環境を整えられる家庭にとっては、イタリアングレーハウンドは非常に魅力的なパートナーになります。飼い主との距離が近く、感情表現が豊かで、静かな時間を共有できる点は、この犬種ならではの大きな魅力です。
重要なのは、「小型犬だから楽」「見た目が好みだから」といった理由だけで選ばないことです。イタリアングレーハウンドは、
- 犬に生活を合わせる覚悟があるか
- 日常管理を丁寧に続けられるか
が問われる犬種です。
犬種特性を正しく理解し、現実的な生活をイメージしたうえで迎えることができれば、長く深い信頼関係を築ける存在になります。逆に、その理解が不足したまま迎えてしまうと、飼い主・犬の双方にとって負担の大きい選択になりやすい犬種でもあります。
「合う人には、これ以上ないほど合う」それが、イタリアングレーハウンドという犬種の本質です。

