柴犬といえば、くるんと丸まった尻尾と警戒心の強さ、そして忠誠心の高さで多くの飼い主から愛される日本原産の犬種です。しかし、そんな柴犬との暮らしで多くの人が最初にぶつかる壁——それが「抜け毛の多さ」です。

毎日掃除機をかけても毛が落ちてる…。



撫でただけで服に毛が…。



換毛期は地獄…。
そんな声がSNSや口コミサイトにも多く見られます。抜け毛対策のために、日々ブラッシングや掃除に追われている飼い主さんも少なくありません。
しかし、その抜け毛の正体を正しく理解し、適切なケア方法を知っていれば、決して恐れるものではありません。むしろ、日々のコミュニケーションの一環として「毛のケア」は柴犬との絆を深める大切な時間にもなり得ます。
本記事では、なぜ柴犬の抜け毛が多いのか、その仕組みから、季節ごとの変化、日々のケア方法、さらにおすすめグッズの紹介まで、徹底的に解説します。「抜け毛との戦い」に終止符を打ちたい飼い主さんにとって、実践的かつ信頼できる情報をお届けします。
柴犬はなぜこんなに抜け毛が多いのか?


柴犬 抜け毛 量・原因・二重構造・ダブルコート・換毛期・抜け毛対策・グルーミングなどの言葉と一緒に調べられることが多く、柴犬の抜け毛問題は飼い主にとって非常に身近で切実な関心事となっています。
ダブルコート構造が抜け毛の根本的な原因
柴犬は「ダブルコート」と呼ばれる被毛構造を持っています。これは、外側の硬くしっかりとした「オーバーコート(上毛)」と、内側の柔らかく密集した「アンダーコート(下毛)」の2層構造のことを指します。
このアンダーコートは、季節の変化に応じて密度が大きく変わるため、春や秋になると大量に抜け落ちます。とくにアンダーコートは細く絡まりやすいため、放っておくと毛玉になったり、皮膚トラブルの原因になりかねません。
この構造は本来、夏は涼しく、冬は暖かく過ごすための自然の機能ですが、室内飼育が主流になった現代では、冷暖房により季節感が狂い、一年を通して「少しずつ抜け続ける」状態の柴犬も少なくありません。
換毛期には毛がごっそり抜ける
柴犬のような日本犬にとって、春と秋の「換毛期」は一大イベントとも言えるほど抜け毛が増加します。
- 春(3月〜5月頃):冬の寒さに備えて密集していたアンダーコートが不要になり、ごっそりと抜け落ちます。
- 秋(9月〜11月頃):逆に、これからの冬に向けて新たなアンダーコートが生えてくるタイミングで、夏毛が抜けます。
とくに春の換毛は「抜け毛の嵐」と表現されることも多く、1日ブラッシングしても翌日また同じ量が抜ける…そんな状況が数週間続くこともあります。
個体差・年齢・体調でも抜け毛の量は変化する
換毛期に限らず、柴犬の抜け毛には個体差があります。たとえば、
- 年齢:若い犬ほど毛が密で抜け毛が多く、シニア犬になると毛量が減り抜けやすくなります。
- 性別:ホルモンバランスの影響を受け、メスのほうが抜けやすいことも。
- ストレスや栄養状態:ストレスや偏った食事は毛の質に悪影響を与え、抜け毛が増える要因となります。
柴犬の抜け毛には、生理的なものと健康状態に由来するものの両方が存在します。日常的に犬の被毛状態を観察し、いつもと違う抜け方をしていないかチェックすることが大切です。
人と比べてどれくらい?柴犬の抜け毛量の目安


柴犬の抜け毛がどれほど多いのか、実際に暮らしてみて初めて驚かれる方も多いでしょう。
「本当にこれが普通なの?」と不安になることもあるかもしれません。実は、柴犬の抜け毛量は人間と比べて圧倒的な差があります。以下の表で、柴犬と人間の1日の抜け毛本数や特徴を比較してみましょう。
柴犬と人間の抜け毛量比較表
項目 | 柴犬(換毛期) | 柴犬(非換毛期) | 人間(平均) |
---|---|---|---|
抜け毛の本数/日 | 約5,000~10,000本 | 約1,000~3,000本 | 約50~100本 |
被毛の再生周期 | 約1~2か月 | 約2~3か月 | 約4~6か月 |
被毛の構造 | ダブルコート | ダブルコート | シングルコート |
換毛期の有無 | あり(春・秋) | なし | なし |
抜け毛の影響範囲 | 家中全体 | 家中全体 | 枕元や洗面所 |
この比較表から分かるように、柴犬の抜け毛は換毛期になると1日で5,000本以上も抜けることが珍しくありません。一方で、人間の場合は平均で1日50〜100本程度。単純に数だけで比べても、柴犬の抜け毛量がいかに多いかが明らかです。
なぜ柴犬はこんなに毛が抜けるのか?
その理由のひとつが「ダブルコート」と呼ばれる特殊な被毛構造です。外側のオーバーコートと内側のアンダーコートがあり、季節ごとにアンダーコートが一気に抜け落ちます。換毛期は特に「大量の毛がごっそり抜ける」という現象が起こりやすいのです。
さらに、被毛の再生周期も人間より短く、絶えず新しい毛が生え変わっています。そのため、1年を通じて抜け毛が多いと感じやすい犬種と言えるでしょう。
抜け毛を放置するとどうなる?


柴犬の抜け毛は日常的な現象ですが、



つい面倒でそのままにしている



忙しくてケアが後回しになる
ということも少なくありません。しかし、抜け毛を放置すると思わぬトラブルにつながる場合があります。ここでは、そのリスクや悪影響について詳しく解説します。
抜け毛がそのまま残ってしまうと、室内の至るところに毛が溜まり、掃除の手間が増えてしまいます。また、敏感な体質の方やお子さんがいるご家庭では、抜け毛や付着した汚れによって体調を崩すきっかけになることも考えられます。
さらに、定期的な手入れを怠ることで被毛や皮膚の状態が悪化し、害虫によるトラブルのリスクが高まる可能性も否定できません。
アレルゲンの原因に
抜け毛そのものはもちろん、抜け毛に付着したフケやダニ、さらには犬の皮脂や花粉などが室内に拡散します。
これがアレルギー体質の人や小さなお子さんがいる家庭では大きな問題となり得ます。特に換毛期には空中を舞う毛の量が増え、アレルギー症状を悪化させる原因となることも。
家中が毛だらけに
柴犬の抜け毛は細くて軽いため、掃除をしてもあっという間にカーペットやソファ、衣類や寝具など、家中のあらゆる場所に付着します。掃除機やコロコロクリーナーが欠かせなくなるのもこのためです。また、エアコンのフィルターや家具の隙間など、見えにくい場所に溜まった抜け毛が原因で掃除の負担が増えることもあります。
犬自身の肌トラブルや健康被害
抜け毛を放置すると、古い毛が絡み合って毛玉になったり、皮膚が蒸れて炎症を起こしたりします。さらに、ノミやダニの温床になることで皮膚炎や外部寄生虫症のリスクも高まります。特にアンダーコートが密集する柴犬は、日々のブラッシングを怠ると皮膚が呼吸できず、かゆみや赤み、脱毛症状など健康への悪影響が出ることもあります。
実際のトラブル例
- 掃除を怠った結果、エアコンのフィルターが毛詰まりで機能低下
- 抜け毛が溜まったカーペットで子どもがアレルギー症状を発症
- ブラッシング不足が原因で柴犬が皮膚炎になり、動物病院に通院。
このようなトラブルを未然に防ぐためにも、日々の抜け毛ケアがいかに重要か理解しておきましょう。
柴犬の抜け毛を減らすケア方法とは?


柴犬との暮らしにおいて、抜け毛の悩みは避けて通れませんが、日々の工夫や適切なケアを続けることで抜け毛の量や広がりを大きく抑えることができます。この章では、実際に多くの飼い主が実践し、効果があると実感している具体的なケア方法を詳しく解説します。
毎日のブラッシングが基本
柴犬の抜け毛対策として最も有効なのが、毎日のブラッシングです。特にダブルコートの被毛を持つ柴犬は、アンダーコートが絡まりやすいため、放置すると毛玉や皮膚のトラブルにつながりやすくなります。
1日5〜10分のブラッシングを習慣にするだけでも、抜け毛が部屋に広がるのを大幅に防ぐことができます。換毛期は抜け毛の量が格段に増えるため、朝晩2回のブラッシングを取り入れるのもおすすめです。
月に1〜2回のシャンプーで毛穴すっきり
シャンプーは月に1〜2回のペースで行うと、アンダーコートの抜けや汚れの除去を促進できます。
使用するシャンプーは犬用の低刺激・保湿タイプが安心です。シャンプー後はしっかり乾かし、湿気が残らないように注意しましょう。
シャンプーの前後でブラッシングをすることで、毛の絡まりや余分な毛の除去がさらに効果的になります。
食事やサプリメントによる被毛ケア
抜け毛の量や毛の質は、食事内容にも影響を受けます。オメガ3脂肪酸やビオチンなど、被毛の健康をサポートする栄養素を含んだドッグフードを選ぶのも一つの方法です。
また、動物病院で相談できるサプリメントもありますので、愛犬の健康状態やアレルギーなども踏まえて選んでみるのもよいでしょう。
専用グッズの活用
抜け毛の除去や予防には、専用のブラシやコームの使用も効果的です。
なかでも次章で紹介する「ゾロ グルーミングコーム」は、プロのトリマーからも高く評価されているアイテムです。
おすすめアイテム|ゾロ グルーミングコームで抜け毛対策


抜け毛対策をより効率的に進めるうえで、グルーミングツールの選び方は非常に重要です。特に柴犬のようなダブルコートを持つ犬種では、一般的なブラシだけではアンダーコートまでしっかりケアすることが難しい場合もあります。そこで注目されているのが「ゾロ グルーミングコーム」です。
ゾロ グルーミングコームとは?
ゾロ グルーミングコームは、プロのトリマーや愛犬家のあいだで高い評価を得ている専用グルーミングツールです。このアイテムの特徴は、しっかりとした金属製のコーム部分と、手にフィットする独自のグリップ形状。
抜け毛を根元からしっかり取り除きつつ、犬の皮膚を傷めにくい設計となっています。
- アンダーコートを効率的に除去
- 柴犬の換毛期にも「ごっそり」取れる
- ブラッシングにかかる時間を短縮できる
- 持ちやすく、手が疲れにくい
実際の使用レビューと評判
多くの柴犬オーナーからは、



短時間で大量の抜け毛が取れる!



犬も気持ちよさそうにしている



毎日の掃除が格段に楽になった!
といった声が集まっています。
また、通常のスリッカーブラシやピンブラシでは落としきれなかった細かなアンダーコートまでしっかり除去できるため、日々の被毛ケアが苦手な方にも扱いやすいと評価されています。
公式サイト・購入方法
ゾロ グルーミングコームは、公式サイトや犬用品専門店などで購入可能です。柴犬の抜け毛対策に本格的に取り組みたい方は、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
また、以下の記事では「ゾロ グルーミングコーム」の詳しい内容を解説しています。トリマーとして使えるのかどうかなど、筆者も現場で使用し検証しましたので。是非読んで参考にしてみてください。
季節別!柴犬の抜け毛対策スケジュール


柴犬の抜け毛は、季節によって量やケアの方法が大きく変わります。日本の気候に順応してきた柴犬は、春と秋の換毛期に特に多くの毛が抜けますが、それぞれの季節ごとに適したケアを行うことで、抜け毛の広がりや犬自身の健康トラブルを未然に防ぐことができます。
季節ごとの換毛の特徴とケア方法
季節 | 換毛の傾向 | おすすめケア |
---|---|---|
春 | 冬毛が大量に抜ける | ブラッシングの回数を増やし、週1でシャンプーも行う |
夏 | 抜け毛は落ち着く傾向 | 軽いブラッシングを継続し、暑さ対策と皮膚の保湿も意識 |
秋 | 夏毛が抜け始める | 換毛期に備えてグルーミングを強化し、乾燥対策も心がける |
冬 | 抜け毛はやや少なめ | 静電気による被毛の絡まりを防ぎつつ、定期的なコーム使い |
春:換毛のピーク!こまめなブラッシングが肝心
春は冬毛が一気に抜けるため、部屋中にふわふわとした毛が舞うことも少なくありません。この時期は毎日のブラッシングが特に大切で、可能なら朝晩2回のケアが理想です。抜けた毛をそのままにしておくと毛玉や皮膚のトラブルの原因となるため、こまめに手入れをしましょう。
夏:抜け毛はやや落ち着くが油断は禁物
夏は換毛のピークを越え、抜け毛の量自体は少し落ち着きます。ただし、暑さや湿度による皮膚トラブルが起こりやすくなります。毛のもつれを防ぐために、軽いブラッシングや皮膚の状態を観察し、保湿を意識したシャンプーも適宜行いましょう。
秋:再び始まる換毛のシーズン
秋は夏毛が抜けて新しい冬毛に生え変わる時期です。春ほどではないものの抜け毛が増えるので、グルーミングの頻度を増やすことが大切です。乾燥しやすくなるため、皮膚や被毛の保湿も忘れずに行いましょう。
冬:静電気や被毛の絡まりに注意
冬は抜け毛の量が少なめになる反面、空気の乾燥による静電気で毛が絡まりやすくなります。静電気防止スプレーやコームで定期的に整えると、被毛の状態を良好に保てます。
よくある質問|柴犬の抜け毛に関するQ&A


柴犬と生活していると、抜け毛についてさまざまな疑問や不安が生まれるものです。ここでは、柴犬の抜け毛に関してよく寄せられる質問と、その回答をまとめました。
まとめ|柴犬の抜け毛ケアは日々の積み重ねと工夫がカギ
柴犬の抜け毛は、その構造上、季節の変化や日々の生活環境によって大きく変動します。抜け毛は柴犬の個性のひとつであり、決して避けて通れないものですが、毎日のちょっとしたケアや工夫によって、驚くほど快適な共生が可能になります。
日々のブラッシングや、時期に合わせたシャンプー、栄養バランスを考えた食事選びを積み重ねることで、抜け毛の広がりや被毛・皮膚のトラブルを効果的に防ぐことができます。
また、専用のグルーミングツールを活用することで、ケアの負担が大きく軽減され、飼い主と愛犬の双方にとってストレスの少ない生活が実現します。
大切なのは、「抜け毛と上手に付き合う」という意識を持つこと。完璧に抜け毛をゼロにすることはできなくても、知識と工夫で大きな悩みから日々のケアへと変えていけます。
今日から少しずつ、あなたの愛犬との暮らしをもっと快適にしていきましょう。