ボルドー・マスティフは、非常に大きな頭部と重厚な体格を持つフランス原産の大型犬として知られています。映画などの影響で「穏やかで優しい大型犬」という印象を持たれることもありますが、実際には番犬としての歴史を持つ力強いマスティフ系犬種です。
見た目のインパクトから温厚な家庭犬というイメージだけで迎えると、体格の大きさや警戒心の強さに戸惑う家庭もあります。一方で、適切な環境としつけがあれば非常に落ち着いた家庭犬になる個体も多い犬種です。
この記事では、ボルドー・マスティフの歴史や身体的特徴、性格、飼育の注意点、かかりやすい病気、費用まで、日本国内の一般的な飼育事情を前提に詳しく解説します。大型マスティフ系犬種を迎える前に理解しておくべき現実的なポイントも整理しています。
第1章|ボルドー・マスティフの基本的な特徴

ボルドー・マスティフはフランス原産の古いモロッサー系犬種で、非常に古い歴史を持つマスティフ型の犬として知られています。巨大な頭部と強力な筋肉を持ち、かつては番犬や闘犬、狩猟犬として使われてきました。
現在では家庭犬として飼育されることもありますが、体格や力の強さは依然として非常に大きく、飼育には大型犬の管理能力が求められます。まずはこの犬種の基本的な身体特徴と歴史を理解することが重要です。
原産と歴史
ボルドー・マスティフはフランス南西部のボルドー地方を中心に発展した犬種です。フランス語では「ドーグ・ド・ボルドー(Dogue de Bordeaux)」とも呼ばれます。
起源は非常に古く、ローマ帝国時代のモロッサー犬の系統を引く犬と考えられています。中世ヨーロッパでは大型マスティフ型犬は様々な用途で使われており、ボルドー・マスティフも例外ではありませんでした。
歴史的には
- 大型獣の狩猟
- 牛や家畜の管理
- 番犬
- 闘犬
などに使われていたとされています。
フランス革命期には貴族文化の衰退とともに犬種数が減少しましたが、19世紀に犬種としての整理が進み、現在のボルドー・マスティフの形に近づいていきました。
20世紀後半には国際的な犬種登録が進み、現在では世界各国で飼育されています。ただし日本では流通数が多い犬種ではありません。
体格とサイズ
ボルドー・マスティフは非常に重厚な体格を持つ大型犬です。体高に対して体重が重く、筋肉量の多いマスティフ型の体格をしています。
- オス
- 体高:約60〜68cm
- 体重:約50〜65kg
- メス
- 体高:約58〜66cm
- 体重:約45〜60kg
頭部は非常に大きく、マスティフ犬種の中でも特に頭部が大きい犬種として知られています。
また口元の皮膚がたるみ、深いシワがある顔が特徴です。このため、よだれが多い犬種としても知られています。
筋肉質で骨量も多く、見た目以上に力が強い犬種です。大型犬の扱いに慣れていない場合はコントロールが難しいと感じることもあります。
被毛の特徴
ボルドー・マスティフの被毛は短毛で密度のあるスムースコートです。被毛は非常に短く、日常的なブラッシングは比較的簡単な犬種に分類されます。
ただし皮膚にシワが多いため、顔周辺の皮膚ケアは重要です。毛色は基本的にフォーン系(赤褐色)です。濃さには個体差があり
- 淡いフォーン
- 赤褐色
- 濃いマホガニー色
などのバリエーションがあります。また顔にはブラックマスクまたはレッドマスクが見られる個体があります。
白斑は胸や足先にわずかに見られる場合がありますが、大きな白斑は標準では望ましくないとされています。
寿命
ボルドー・マスティフの平均寿命は約8〜10年とされています。
これは大型マスティフ系犬種としては一般的な寿命の範囲です。体格が非常に大きく成長が早い犬種は寿命が短くなる傾向があるため、小型犬より平均寿命は短い場合が多いです。
ただし寿命には
- 飼育環境
- 食事
- 遺伝
- 医療管理
など多くの要因が影響するため、個体差があります。
大型犬ではシニア期の健康管理が寿命に影響するケースもあります。
ボルドー・マスティフの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 原産地 | フランス |
| 別名 | ドーグ・ド・ボルドー |
| 犬種分類 | 大型マスティフ系犬種 |
| 体高 | 約58〜68cm |
| 体重 | 約45〜65kg |
| 被毛 | 短毛スムースコート |
| 毛色 | フォーン(赤褐色系) |
| 平均寿命 | 約8〜10年 |
| 主な役割 | 番犬・護衛犬・狩猟犬 |
- フランス原産の古いマスティフ系犬種
- 体重60kg前後になることもある大型犬
- 顔のシワと大きな頭部が特徴
- 被毛は短毛でケアは比較的簡単
- 大型犬のため寿命は小型犬より短い傾向
第2章|ボルドー・マスティフの性格

ボルドー・マスティフは外見の迫力とは対照的に、落ち着いた性格を持つ個体が多い犬種として知られています。しかし歴史的には番犬や護衛犬として使われてきた背景があるため、警戒心や防衛本能も持っています。
そのため単純に「温厚な大型犬」とだけ理解して迎えると、警戒行動や力の強さに戸惑うケースもあります。ボルドー・マスティフは家庭犬としての適性を持つ犬種ですが、性格の特性を理解したうえで飼育することが重要です。
基本的な気質
ボルドー・マスティフは落ち着きがあり、比較的静かな性格の個体が多い犬種とされています。大型マスティフ系犬種の特徴として、無駄に動き回るタイプではなく、ゆったりとした行動を見せることが多い傾向があります。
家庭内では静かに休む、飼い主のそばで落ち着いて過ごす、といった行動が見られる個体も多く、室内では穏やかな存在になる場合があります。
ただし体格が非常に大きいため、穏やかな性格であっても動きの一つ一つが大きく、室内スペースの確保は必要になります。
また個体によっては頑固さを見せる場合もあり、指示に対してすぐに反応しない場面もあります。これはマスティフ系犬種に見られる独立性の一部とも言われています。
自立心/依存傾向
ボルドー・マスティフは極端に依存的な犬種ではありませんが、飼い主との関係を重視する傾向があります。飼い主の近くで過ごすことを好む個体も多く、家族との距離が近い犬種です。
一方で牧羊犬のように常に指示を求めるタイプではなく、自分の判断で行動する傾向が見られる場合もあります。
このためトレーニングでは一貫したルールや落ち着いた指示が重要になります。
過度に甘やかした場合、大型犬であることからコントロールが難しくなる可能性もあります。
忠誠心・人との距離感
ボルドー・マスティフは家族に対して強い忠誠心を持つ犬種として知られています。飼い主や家族を守ろうとする意識が強い個体も多く、番犬としての資質を持っています。
家庭内では穏やかで愛情深い行動を見せることがありますが、知らない人に対しては慎重な態度を取る個体もいます。
この警戒心は攻撃性とは異なり様子を見る、距離を保つ、といった行動として現れることが多いです。
子犬期から人や環境に慣らすことで、過度な警戒行動を減らすことができます。
吠えやすさ・警戒心
ボルドー・マスティフは無駄吠えが多い犬種ではありません。必要な場面でのみ吠える傾向があり、番犬としての能力を持っています。
見知らぬ人が家に近づいた場合などには、低く重い声で警告することがあります。
ただし警戒心が強くなりすぎると来客への対応が難しくなる場合もあります。そのため子犬期から社会化を行い、人や環境に慣れさせることが重要です。
また体格が大きく声も低いため、吠えた際の威圧感は非常に強い犬種です。
他犬・子どもとの相性
ボルドー・マスティフは家庭内では穏やかな個体も多く、家族の子どもと落ち着いて過ごすことができる場合があります。
ただし体格が非常に大きいため体当たりや押し倒しなどの事故が起きる可能性があります。小さな子どもとの接触は必ず大人が管理する必要があります。
他犬との相性については個体差があります。子犬期から社会化を行っている場合、他犬と落ち着いて接することができる個体もいます。
一方で同性犬への警戒行動を見せる個体もいるため、多頭飼いでは相性確認が重要になります。
大型犬同士の場合、トラブルが起きた際のリスクも大きくなるため注意が必要です。
ボルドー・マスティフの性格
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 基本気質 | 落ち着きがあり穏やかな個体が多い |
| 自立性 | 独立心があり頑固さを見せる場合あり |
| 忠誠心 | 家族への忠誠心が強い |
| 警戒心 | 番犬としての警戒心を持つ |
| 吠えやすさ | 無駄吠えは少ない傾向 |
| 他犬との相性 | 個体差あり |
| 子どもとの相性 | 体格の大きさに注意 |
- 穏やかだが番犬気質を持つ犬種
- 家族への忠誠心が強い
- 警戒心は比較的強い
- 大型犬のため行動の影響が大きい
- 社会化が性格安定に重要
第3章|ボルドー・マスティフの飼いやすさ・向いている家庭

ボルドー・マスティフは穏やかな家庭犬として紹介されることもありますが、実際には体格・力・警戒心の強さを理解したうえで飼育する必要がある犬種です。体重50kg以上になることもある大型マスティフであり、単純に「大型で優しい犬」という印象だけで迎えると管理の難しさを感じる場合があります。
また大型犬は生活スペースや管理コストも大きくなるため、家庭環境との相性も重要になります。ここではボルドー・マスティフの飼いやすさと、どのような家庭に向いているかを現実的な視点で解説します。
飼いやすい点
ボルドー・マスティフは大型犬の中では比較的落ち着いた性格を持つ個体が多い犬種です。激しく動き回るタイプではなく、家庭内では静かに過ごす時間が多い傾向があります。
そのため「長時間走り回る犬ではない」「室内で落ち着いて過ごす」といった特徴があります。
また飼い主との距離が近い犬種であり、家族と穏やかに生活することを好む個体も多く見られます。
番犬としての能力もあり、見知らぬ人に対して警戒行動を示すことがあります。家庭を守る犬として評価されることもあります。
短毛のため被毛管理は比較的簡単で、ブラッシングは週1〜2回程度で十分な場合が多いです。
注意点
ボルドー・マスティフは大型犬の中でも特に力が強い犬種です。体重が60kg近くになる個体もおり、引っ張る力も非常に強くなります。
散歩時のコントロールが難しくなる場合もあるため、基本的なしつけは重要になります。またこの犬種は
- よだれが多い
- 体格が大きい
- 食事量が多い
といった大型マスティフ特有の特徴があります。
特によだれは多い犬種として知られており、床や家具などが汚れることもあります。さらに大型犬のため
- 医療費
- フード費用
- 生活スペース
などの負担も大きくなります。体力面だけでなく生活環境も大型犬に対応できる必要があります。
向いている家庭
ボルドー・マスティフに向いている家庭にはいくつかの特徴があります。
まず大型犬を管理できる環境がある家庭です。具体的には
- 広めの住環境
- 散歩スペース
- 大型犬の生活スペース
などが確保できる家庭です。
またこの犬種は飼い主との関係を重視する犬種のため、日常的に犬と関わる時間を確保できる家庭が向いています。
さらに「大型犬の経験がある」「しつけに一貫性を持てる」といった家庭では、より安定した飼育が可能になります。
向いていない可能性がある家庭
ボルドー・マスティフは以下のような家庭では管理が難しい可能性があります。
まず狭い住宅環境です。大型犬であり体重も重いため、十分な生活スペースが必要になります。また「大型犬の扱いに慣れていない」「犬の力をコントロールできない」といった場合、散歩や日常管理が難しくなる可能性があります。
さらに、清潔な室内環境を強く求める家庭ではよだれの多さがストレスになることもあります。
大型犬は生活の影響が大きいため、生活スタイルとの相性も重要になります。
初心者適性
ボルドー・マスティフは初心者向けの犬種とは言いにくい場合があります。理由として
- 体格が非常に大きい
- 警戒心がある
- 力が強い
といった特徴があるためです。
ただし「大型犬経験がある」「しつけを継続できる」といった条件がある場合、家庭犬として飼育されている例もあります。
初心者が迎える場合は、犬種の特性を十分理解し、専門家のアドバイスを受けながら飼育することが望ましいです。
ボルドー・マスティフの飼育適性
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 飼いやすい点 | 落ち着いた大型犬 |
| 被毛管理 | 短毛で比較的簡単 |
| 注意点 | 力が強く体格が大きい |
| よだれ | 多い犬種 |
| 向いている家庭 | 大型犬管理ができる家庭 |
| 向いていない家庭 | 狭い住環境 |
| 初心者適性 | やや低い |
- 体重50kg以上になる大型犬
- 穏やかだが力が非常に強い
- よだれが多い犬種
- 大型犬の生活スペースが必要
- 初心者は慎重な判断が必要
第4章|ボルドー・マスティフの飼い方と日常ケア

ボルドー・マスティフは大型マスティフ系犬種であり、日常の飼育管理は小型犬とは大きく異なります。運動量自体は非常に多い犬種ではありませんが、体重が重く骨格も大きいため、生活環境や健康管理には注意が必要です。
また顔のシワやよだれの多さなど、この犬種特有のケアもあります。適切な生活環境と日常ケアを行うことで、健康的で安定した生活を維持することができます。
運動量と散歩
ボルドー・マスティフは大型犬ですが、非常に運動量の多い犬種ではありません。長距離を走り続けるタイプではなく、比較的ゆったりとした活動量の犬です。
散歩の目安としては1日1〜2回、1回30分程度が一般的です。ただし体重が非常に重いため、散歩不足になると肥満になりやすい傾向があります。適度な運動は健康維持のために重要です。
また成長期の大型犬は骨格が完成していないため、激しい運動は避ける必要があります。
- 階段の上り下り
- 長時間のジャンプ
- 急な方向転換
などは関節への負担になる可能性があります。
本能行動への配慮
ボルドー・マスティフは狩猟犬というよりも、護衛犬や番犬としての役割を持ってきた犬種です。そのため、家庭や飼い主を守る意識が強い個体もいます。
知らない人に対して警戒行動を見せる場合があるため、来客や散歩中の人との距離には注意が必要です。
子犬期から人や環境に慣れさせる社会化を行うことで、過度な警戒行動を減らすことができます。
また大型犬のため、万が一トラブルが起きた場合のリスクも大きくなります。公共の場所では必ずリードを着用し、飼い主がコントロールできる状態を保つことが重要です。
被毛ケア/トリミング
ボルドー・マスティフの被毛は短毛のスムースコートです。そのためトリミングの必要はありません。
日常ケアとしては週1回程度のブラッシングで十分な場合が多いです。ただし顔のシワには汚れや湿気が溜まりやすいため、定期的に拭き取りケアを行うことが重要です。またこの犬種はよだれが多いため、口周りの清潔管理も必要になります。
よだれが付いたまま放置すると皮膚炎や臭いの原因になることがあります。
シャンプーは月1回程度が一般的ですが、皮膚状態によって調整します。
食事管理と体重
ボルドー・マスティフは大型犬のため、食事量も多くなります。しかし肥満は関節や内臓への負担になるため、体重管理は非常に重要です。
大型犬用フードを使用し、成長段階に合わせて栄養バランスを管理します。
食事回数は1日2回が一般的です。
またこの犬種は胃拡張や胃捻転のリスクが指摘される体型のため食後すぐの運動を避け、食事量を分けるなどの管理を行う家庭もあります。
ただし発症には個体差があり、完全な予防方法は確立されていません。
留守番と生活リズム
ボルドー・マスティフは家族との時間を好む犬種ですが、極端に分離不安が強い犬種ではありません。
適切にトレーニングを行えば、留守番に対応できる個体も多いです。ただし長時間の孤独はストレスの原因になる可能性があります。一般的には6〜8時間程度の留守番が限界とされる家庭が多いです。
また体格が大きいためケージ、ベッド、休息スペースなども大型犬サイズを用意する必要があります。
生活スペースが狭すぎる場合、犬にもストレスがかかる可能性があります。
ボルドー・マスティフの日常ケア
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 散歩量 | 1日1〜2回、30分程度 |
| 運動 | 激しい運動は不要 |
| 被毛ケア | 短毛、週1回ブラッシング |
| シワケア | 顔のシワの清潔管理 |
| 食事 | 大型犬用フード |
| 食事回数 | 1日2回 |
| 留守番 | 6〜8時間程度可能 |
- 短毛で被毛管理は比較的簡単
- 顔のシワと口周りのケアが重要
- 大型犬のため肥満管理が必要
- 散歩は適度な量でよい
- 生活スペースは広めが望ましい
第5章|ボルドー・マスティフがかかりやすい病気

ボルドー・マスティフは非常に体格の大きいマスティフ系犬種であり、健康面では大型犬特有の疾患に注意が必要とされています。大型犬は骨格や内臓への負担が大きく、特定の疾患が発生しやすい傾向があります。
またボルドー・マスティフは胸が深く体重も重いため、消化器疾患や関節疾患などのリスクが指摘されています。ただしすべての個体に発生するわけではなく、遺伝や生活環境によっても大きく変わります。
ここではボルドー・マスティフで比較的知られている健康上の注意点について整理します。
代表的な疾患
ボルドー・マスティフで特に知られている疾患の一つが胃拡張・胃捻転です。これは大型犬、とくに胸が深い体型の犬種で報告される消化器疾患です。
胃の中にガスや食物が溜まり、胃がねじれることで血流が遮断される状態になります。急激に症状が進行することがあり、緊急の治療が必要になる場合があります。一般的に言われる予防の考え方として
- 食事を1日2回以上に分ける
- 食後すぐに激しい運動をしない
- 大量の水を一度に飲ませない
などがあります。ただしこれらを行っていても発症する場合があり、完全な予防方法は確立されていません。
体質的に注意したい点
ボルドー・マスティフは体重が非常に重く、骨格への負担が大きい犬種です。そのため関節へのストレスが問題になることがあります。
特に大型犬でよく見られる疾患として股関節形成不全があります。これは股関節の構造が正常に形成されないことで関節の動きに問題が出る疾患です。症状として
- 歩行の異常
- 運動を嫌がる
- 立ち上がりにくい
などが見られることがあります。体重管理や適度な運動は関節への負担を軽減する要素になります。
遺伝性疾患(あれば)
ボルドー・マスティフでは遺伝的な要因が関係する可能性がある疾患として心臓疾患が報告される場合があります。
特に拡張型心筋症は大型犬で見られることがある心臓病の一つです。心臓の筋肉が弱くなり、血液を送り出す能力が低下する病気です。
またまれに甲状腺機能低下症が報告されることもあります。これはホルモン分泌の低下によって代謝が低くなる疾患です。
これらはすべての個体で発生するわけではなく、血統や個体差によって大きく変わります。
歯・皮膚・関節など
ボルドー・マスティフは顔のシワが多い犬種のため、皮膚トラブルが起きる可能性があります。シワの部分に湿気や汚れが溜まることで皮膚炎になる場合があります。
そのため顔のシワの清掃や乾燥管理などが重要になります。
また大型犬では歯周病のリスクもあります。歯石が蓄積すると歯周病が進行する可能性があるため、歯磨きやデンタルケアを行う家庭もあります。
さらに体重が重い犬種では関節や靭帯への負担が大きくなるため、滑りにくい床環境を整える家庭もあります。
日常の生活環境が関節の健康に影響する場合があります。
ボルドー・マスティフの健康リスク
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 消化器 | 胃拡張・胃捻転 |
| 関節 | 股関節形成不全 |
| 心臓 | 拡張型心筋症 |
| ホルモン | 甲状腺機能低下症 |
| 皮膚 | シワによる皮膚炎 |
| 歯 | 歯周病 |
- 大型犬のため関節疾患に注意
- 胃捻転は胸の深い犬種で起こることがある
- 顔のシワのケアが重要
- 心臓疾患の報告がある
- 日常の体重管理が健康維持に重要
第6章|ボルドー・マスティフの子犬期の育て方

ボルドー・マスティフは成犬になると非常に大きな体格になる犬種であり、子犬期の育て方がその後の生活に大きく影響します。大型犬は身体の成長が早く、半年ほどで中型犬程度の体格になることも珍しくありません。そのため子犬の段階から基本的なしつけや社会化を行っておくことが重要です。
またボルドー・マスティフは番犬としての歴史を持つ犬種のため、警戒心を持つ個体もいます。社会化が不足すると過度な警戒行動につながる可能性があります。大型犬の場合、問題行動が発生した際の影響が大きくなるため、子犬期から計画的に育てることが重要です。
社会化の考え方
犬には社会化期と呼ばれる時期があり、一般的には生後3週頃から12〜16週頃までと言われています。この時期に経験した環境や人との接触が、成犬期の行動に影響する可能性があります。
ボルドー・マスティフは警戒心を持つ犬種でもあるため、この社会化期にさまざまな刺激に慣れる経験が重要になります。具体的には
- 人との接触
- 他犬との交流
- 車や生活音
- 動物病院
- 散歩環境
などに徐々に慣れさせます。無理に強い刺激を与えるのではなく、子犬が安心できる範囲で経験を増やしていくことが大切です。
しつけの方向性
ボルドー・マスティフは理解力のある犬種ですが、マスティフ系犬種特有の頑固さを見せる個体もいます。そのためトレーニングでは一貫したルールが重要になります。特に重要になる基本トレーニングには
- 呼び戻し
- 待て
- リードウォーク
- ハウス
などがあります。大型犬は成長すると力が非常に強くなるため、散歩の引っ張り癖などは子犬期から改善しておくことが重要です。
トレーニングでは強い叱責よりも、成功した行動を褒めて強化する方法が一般的に効果的とされています。
問題行動への向き合い方
子犬期には
- 噛み癖
- 飛びつき
- 甘噛み
などが見られる場合があります。これらは成長過程でよく見られる行動ですが、体格が大きくなる犬種では早めに対処することが重要です。
例えば飛びつき癖が残ったまま成犬になると、人を押し倒してしまう可能性があります。
また番犬気質の犬種では、来客への警戒行動が強く出る場合があります。子犬期から人との接触経験を増やすことで、過度な警戒行動を減らすことができます。
問題行動は叱るだけでは改善しないことが多いため、適切な行動を教えるトレーニングが必要になります。
運動と知的刺激
ボルドー・マスティフは大型犬のため、成長期の運動量には注意が必要です。骨格が完成していない子犬期に過度な運動を行うと、関節への負担になる場合があります。特に
- 高い場所からのジャンプ
- 長時間の走り込み
- 急な方向転換
などは避けた方がよいとされています。子犬期の運動は
- 短時間の散歩
- 遊び
- 軽いトレーニング
などで十分な場合が多いです。また知的刺激として知育玩具、トレーニング遊びなどを取り入れることで、精神的な満足度を高めることができます。
自立心の育て方
ボルドー・マスティフは家族との関係を重視する犬種ですが、子犬期から適度な自立性を育てることも重要です。
常に飼い主と一緒にいる生活だけで育つと、留守番が苦手になる場合があります。
そのため短時間の留守番、クレートトレーニングなどを段階的に取り入れることで、生活リズムを整えることができます。クレートは犬にとって安心できる休息場所として機能する場合もあります。
子犬期の生活習慣は成犬期の行動に影響するため、無理のない範囲で経験を増やしていくことが重要です。
ボルドー・マスティフの子犬育成ポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 社会化 | 人・犬・環境に慣らす |
| しつけ | 呼び戻し・基本トレーニング |
| 問題行動 | 噛み癖・飛びつき |
| 運動 | 成長に合わせて調整 |
| 知的刺激 | 知育玩具・トレーニング |
| 自立性 | 留守番・クレート |
- 大型犬のため子犬期のしつけが重要
- 社会化不足は警戒行動につながる
- 散歩の引っ張り癖は早期に改善
- 成長期は関節への負担に注意
- 自立性を育てることで留守番に対応
第7章|ボルドー・マスティフの費用目安

ボルドー・マスティフは超大型犬に近い体格になることもあるマスティフ系犬種のため、飼育費用は小型犬や中型犬と比べて高くなる傾向があります。特に食費や医療費、設備費などは体格に比例して増えることが多く、迎える前に長期的な費用を理解しておくことが重要です。
また日本国内では流通数が多い犬種ではないため、子犬価格も比較的高額になるケースがあります。ここでは日本国内でボルドー・マスティフを飼育する際の一般的な費用目安を整理します。
初期費用
ボルドー・マスティフを迎える際の初期費用は、主に子犬価格と飼育用品の準備費用に分けられます。
- 約40万円〜90万円程度
日本国内では流通数が多くないため、血統や輸入ラインによって価格差が出ることがあります。また大型犬の繁殖は母犬の負担も大きく、ブリーダー数が限られる場合もあります。
- 大型ケージ
- 大型ベッド
- 首輪・リード
- 食器
- ブラシ
- クレート
- トイレ用品
大型犬用の用品はサイズが大きいため価格も高くなりやすいです。
初期用品費としては約6万円〜15万円程度を見込む家庭が多いです。また子犬期にはワクチン接種や健康診断などが必要になるため、初年度医療費として約2万円〜6万円程度を考えておくと安心です。
年間維持費
ボルドー・マスティフの年間維持費は大型犬として比較的高めの水準になります。
- 年間12万円〜20万円程度
体重が50kg以上になることもあるため、フード消費量はかなり多くなります。
- 年間2万円〜8万円程度
基本的には
- 狂犬病ワクチン
- 混合ワクチン
- フィラリア予防
- ノミダニ予防
などが含まれます。
病気やケガが発生した場合はさらに費用が増える可能性があります。
- シャンプー用品
- 首輪やリード交換
- デンタルケア用品
- ペット保険
などを含めると年間維持費の合計は約22万円〜40万円程度になる家庭が多いです。
費用面の注意点
ボルドー・マスティフは大型犬の中でも医療費が高くなりやすい犬種です。体格が大きいため、手術費用や検査費用が高額になる場合があります。
また大型犬は関節疾患、心臓疾患などの治療費が高額になるケースがあります。さらに寿命が比較的短い大型犬では、シニア期に医療費が増える傾向があります。
そのためペット保険の検討、医療費の積立などを行う家庭もあります。
犬の飼育は10年以上続く生活になるため、長期的な費用計画を立てておくことが重要です。
ボルドー・マスティフの費用目安
| 項目 | 費用目安 |
|---|---|
| 子犬価格 | 約40万〜90万円 |
| 初期用品 | 約6万〜15万円 |
| 初年度医療費 | 約2万〜6万円 |
| 年間フード代 | 約12万〜20万円 |
| 年間医療費 | 約2万〜8万円 |
| 年間維持費合計 | 約22万〜40万円 |
- 大型犬のため維持費は高め
- 子犬価格は血統で変動
- フード費用は小型犬より高い
- 医療費は大型犬で高額になる可能性
- 長期的な費用計画が必要
まとめ|ボルドー・マスティフを迎える前に知っておきたいこと
ボルドー・マスティフはフランス原産の歴史あるマスティフ系犬種であり、巨大な頭部と重厚な体格が特徴の大型犬です。見た目の迫力から番犬としての印象が強い犬種ですが、家庭内では落ち着いた性格を持つ個体も多く、家族との生活を大切にする犬でもあります。
この犬種に向いている人は、大型犬の管理経験があるか、もしくは大型犬の生活環境を理解したうえで飼育できる人です。体重が60kg近くになる個体もいるため、散歩や日常管理で十分なコントロールができることが重要になります。
また広めの生活環境と安定した生活リズムを確保できる家庭では、この犬種の落ち着いた性格を活かした飼育が可能になります。番犬としての警戒心を持つ犬種でもあるため、子犬期の社会化やしつけも重要です。
一方で、狭い住環境や大型犬の扱いに慣れていない家庭では管理が難しくなる可能性があります。よだれの多さや食費、医療費など、大型マスティフ特有の生活面も理解しておく必要があります。
現実的な総評として、ボルドー・マスティフは穏やかな家庭犬になる可能性を持つ犬種ですが、体格と力の大きさを理解したうえで迎える必要があります。大型犬の管理能力と生活環境を整えることができる家庭では、非常に忠実で落ち着いたパートナーになる犬種です。

