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【完全版】犬の老犬介護ガイド|後悔しないための体験・比較・実践ノウハウ

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愛犬と過ごす時間は、飼い主にとってかけがえのない宝物です。しかし、どんな犬も年齢を重ね、やがて「老犬」と呼ばれる時期を迎えます。

昨日まで元気に走り回っていた子が、少しずつ歩くのが遅くなり、いつの間にか階段を上がるのをためらうようになった――。そんな“老い”のサインに気付いた瞬間、胸が締め付けられる思いをしたことがある飼い主は多いでしょう。

犬の高齢化は社会全体の課題でもあり、平均寿命が伸びる一方で「老犬介護」という現実に直面する家庭も増えています。

しかし、いざ介護が必要になると、多くの飼い主が戸惑い、孤独や不安に苛まれます。夜鳴きや徘徊、寝たきり、食事や排泄の世話――

どうしたらいいの?

自分の介護が正しいのか分からない…。

そんな声が、いま日本中で増えているのです。ネットで調べてみても、実際の現場の困りごとや、具体的な解決策が見つからず、もどかしさを感じる方も少なくありません。

老犬介護には正解がなく、それぞれの家庭や犬の個性に合わせた“リアルな知恵と工夫”が必要です。

本記事では、「老犬介護」を迎えるすべての飼い主に向けて――

  • 何歳から老犬と考えるのか
  • 介護が始まる“サイン”とは
  • 毎日のケアやグッズ選び、家族の協力体制
  • 費用や時間、心の負担と向き合うための工夫
  • 現場で本当に役立った体験談や失敗談
  • プロや専門家の知見

まで、徹底的に解説・比較し、「明日からの介護が少しでも楽になる」ためのヒントをお届けします。

老犬介護は大変な面も多いですが、乗り越えた先に「深い絆」や「かけがえのない思い出」が待っています。この記事が、あなたと愛犬の新しい一歩を後押しできることを心から願っています。

目次

老犬介護が始まるサインと心の準備

何歳から「老犬」?犬種や個体差で異なる“老い”の基準

一般的に「老犬」と呼ばれるのは、7歳~8歳頃からと言われます。ただし、犬種や体格、遺伝的な背景、生活環境によって“老化”の始まり方は大きく異なります。

大型犬は小型犬よりも老化が早く、たとえばグレートデーンやセントバーナードなどは6歳前後から老化の兆候が出ることも。一方、チワワやトイプードルなどは10歳を過ぎてから“見た目や行動に変化が現れる”ケースも少なくありません。

老犬の年齢目安

体格老犬とされる目安年齢
超小型犬9~10歳
小型犬8~9歳
中型犬7~8歳
大型犬6~7歳

ただし年齢だけにとらわれず、「歩くのが遅くなった」「寝ている時間が増えた」「毛艶が落ちた」「目が白っぽくなってきた」など、“日常の小さな変化”に気づくことが、老犬介護のスタートラインです。

老化のサインを見逃さないためのチェックリスト

愛犬の「老い」は、ある日突然やってくるのではなく、少しずつ進行します。下記のチェックリストを参考に、“変化”に早く気付いて適切なケアを始めましょう。

老犬のサインチェックリスト

  • 散歩のペースが遅くなった/距離が短くなった
  • ジャンプや階段を嫌がるようになった
  • 寝ている時間が増えた/夜中に起きることが増えた
  • 食欲のムラ・体重減少・毛艶の低下
  • トイレの失敗(粗相)が増えた
  • 名前を呼んでも反応が鈍い、方向転換が苦手
  • イライラしやすい、逆に甘えん坊になる
  • 目や耳のトラブル(白内障、難聴)

このような兆候が現れ始めたら、「老犬介護」の準備を意識しましょう。

飼い主の心構えと最初にぶつかる壁

初めての老犬介護では、多くの飼い主が

うちの子に限って…。

まだ元気だから…。

と“老い”を受け入れきれず、ケアが後手になりがちです。しかし、老化のサインを見逃さず、「早めに心の準備」をしておくことが、愛犬の幸せなシニアライフの第一歩です。

最初は「夜鳴き」「粗相」「散歩を嫌がる」「食事のムラ」など、小さな変化が重なって介護は本格化していきます

この時期は飼い主自身も戸惑い、イライラや自己嫌悪に苦しむことがあります。“完璧な介護”を目指そうとし過ぎず、「家族や周囲に頼る」「失敗を恐れない」ことが、長く続く介護生活を支える大切なポイントです。

老犬介護の主な悩みと具体的な対策

老犬介護が始まると、想像以上に多くの「困ったこと」に直面します。

夜鳴きや徘徊、寝たきり、食事や排泄の世話、突然の体調変化……。これらの問題には、犬それぞれの個性や健康状態によって正解がなく、「一般論」ではカバーしきれない現場の知恵や体験が何より役立ちます。

この章では、多くの飼い主が直面する“主な悩み”と、それに対して実際に効果があった具体的な対策、失敗談や現場のリアルを、できる限り詳細に解説します。

夜鳴き・徘徊・不安行動の原因と対策

夜鳴き・徘徊の主な原因

老犬が夜に突然吠えたり、意味もなくウロウロ歩き回るようになるのは、認知症(犬の認知機能不全症候群)や、体内時計の乱れ、聴覚・視覚の低下など、さまざまな要因が絡んでいます。特に夜間は不安が強まりやすく、飼い主の生活リズムにも大きな影響を及ぼします。

対策と工夫

生活リズムを一定に保つ

朝夕の散歩や食事時間を固定し、日中はできるだけ活動させて“昼夜逆転”を防ぐ。

部屋の安全対策と環境調整

徘徊で家具にぶつかる事故が増えるため、家具の角をガードし、滑りにくいマットを敷く。

安心できる“寝床”や“隠れ場所”の確保

自分だけの安心スペースを作ってあげると、不安が軽減することが多い。

音・光・香りで安心感をサポート

夜は優しい照明やヒーリング音楽、ラベンダーなどのアロマ(犬OKのもののみ)でリラックス環境を演出。

サプリメント・薬の活用

獣医師の指導のもと、認知機能をサポートするサプリや必要に応じて投薬を検討。

体験談・失敗談

女性

うちの柴犬は14歳から夜鳴きがひどくなり、最初は叱ったり無視していたけれど逆効果。逆に抱っこしたり、一緒に横になってあげると落ち着くことが多かったです。結局、家族の協力で夜の当番を分担する形にしました。

寝たきりになったときのケアと寝床選び

寝たきりの主なリスク

老犬が寝たきりになると、褥瘡(床ずれ)や関節拘縮、筋力低下、排泄トラブルが一気に増えます。ケア方法を間違えると、犬の苦痛だけでなく飼い主の負担も一層大きくなります。

対策と工夫

床ずれ防止マットや介護ベッドの活用

低反発・洗えるマットや専用ベッドで体圧を分散。定期的に寝返りをさせることも重要です。

体位変換・マッサージ

数時間ごとに体の向きを変える/優しくマッサージして血行促進。

介護服・オムツの選び方

排泄の失敗や皮膚トラブルを防ぐため、通気性・肌触りの良いオムツや介護服を使う。

水分補給・口腔ケアの徹底

寝たきりだと脱水や口腔トラブルが増えるため、シリンジやウェットティッシュも常備。

安全対策と環境整備

ベッド周辺を片付けて事故を予防し、体調変化にすぐ気づけるように記録をつける。

比較表:寝たきり介護に役立つグッズ

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グッズ名価格帯おすすめ度体験談・コメント
低反発介護マット5,000~15,000円★★★★★洗いやすく、床ずれ防止に効果絶大
体位変換クッション2,000~5,000円★★★★☆体重の重い大型犬には特に便利
介護用オムツ1,000~2,500円★★★★☆通気性タイプはかぶれにくい
シリンジ・給水器500~1,000円★★★★☆寝たきりの水分補給に必須

食事・水分補給|食べない、飲まない時の工夫

主な問題

高齢犬は食欲の低下、嗜好の変化、嚥下(飲み込む力)の衰えなどが重なり「ごはんを食べなくなった」「水を飲まない」と悩む飼い主が多いです。

さらに、歯や口のトラブルも頻発します。

対策と工夫

食事形態の見直し

ドライフードをふやかす、ウエットフードや手作り食へ移行するなど、咀嚼・嚥下しやすい形に変える。

温度・香り・食感の工夫

温めることで匂いが立ち、食欲アップ。細かく刻んで誤嚥防止。

流動食や介護食の活用

市販の流動食や獣医師の指導による栄養サポート食を使う。

水分補給の工夫

普段の飲み水以外にも、ウエットフードやスープを活用。どうしても飲まない時はシリンジでの補給も検討。

体験談

女性

うちの子はドライフードをまったく食べなくなり、鶏肉や野菜を煮込んだスープを作ったところ、再び食べてくれるようになりました。獣医さんに相談しながら、栄養バランスも調整しています。

排泄トラブルとトイレ介助のコツ

主な問題

老犬になると排尿・排便のコントロールが難しくなり、「トイレの失敗」「漏れ」「寝たまま排泄」などが増えます。
放置すると皮膚炎や臭い、家の衛生環境の悪化にもつながります。

対策と工夫

トイレシーツ・オムツの活用

場所に応じて厚手シーツや大型ペットシーツを併用。寝たきり犬には使いやすい防水シーツも便利。

排泄のタイミング記録とサポート

排泄時間・回数を記録してパターンをつかみ、適切なタイミングでトイレに誘導。

体の清拭・消臭・皮膚ケア

失敗時はすぐに清拭し、消臭・保湿スプレーを活用して皮膚炎を予防。

家族での分担と“お互いに無理しない”工夫

飼い主ひとりで抱え込まないために家族と分担することも大切。

体験談

女性

排泄の失敗が増えた時、家族で“掃除当番”を決め、夜間は交代で見守ることで心身の負担が減りました。ペット用の消臭剤もいろいろ試しましたが、天然成分のものが肌荒れせず一番良かったです。

老犬介護グッズ・サービス徹底比較

老犬介護の負担を減らすうえで、「どんなグッズやサービスを使うか」は非常に重要です。

しかし、実際に店頭やネットで調べると、商品が多すぎて何を選べばよいかわからない…という飼い主がほとんど。

また、「本当に役立つグッズ」「費用に見合うサービス」を見極めるためには、実際に使った飼い主のリアルな声が何より参考になります。

この章では、定番から最新までの介護グッズ・サービスを比較表と体験談を交えながら徹底解説します。

定番から最新まで!介護グッズ・便利アイテム比較表

主な老犬介護グッズ一覧と特徴比較

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グッズ名価格帯特徴おすすめ度実際の使い勝手(体験談)
低反発介護マット5,000~15,000円床ずれ予防、丸洗いOK★★★★★洗濯できるので清潔を保てる/長時間快適
体位変換クッション2,000~5,000円寝返りサポート、体圧分散★★★★☆大型犬には必須。寝返りが楽になった
介護用オムツ1,000~2,500円通気性、吸水性、使い捨て可★★★★☆肌トラブルが減った。漏れも防げて安心
介護ハーネス3,000~8,000円立ち上がり・歩行サポート★★★★☆散歩時・排泄時に便利。腰を痛めずに済む
ペットカート10,000~40,000円散歩・通院時の移動に★★★★☆車椅子の代用にも。大型犬では要確認
リフト・スリング2,000~7,000円抱き上げや移動が楽★★★☆☆腰痛予防になる。慣れるまでコツが必要
介護服(ボディスーツ)2,000~6,000円皮膚保護、オムツ固定★★★★☆傷舐め防止やオムツずれ防止に活躍
シリンジ・給水器500~1,000円水分補給、投薬、流動食★★★★☆寝たきりの水分補給や薬投与に便利

介護グッズ実体験レビュー

実際に介護グッズを使用した飼い主の体験は、商品選びの最大のヒントになります。

ここでは、よく使われるグッズごとに「なぜ選んだか」「何が便利だったか」「どこがイマイチだったか」をリアルな声とともに紹介します。

低反発介護マット

寝返りが打ちやすく、床ずれができなくなった。毛が抜けても掃除がしやすいので、毎日清潔に使えるのがありがたいです。(Mさん・柴犬16歳)

介護用オムツ

最初はオムツに抵抗があったけど、失禁が増えてからは本当に助かっています。肌が弱いので、通気性タイプを選んだらかぶれも減りました。(Sさん・コーギー15歳)

介護ハーネス

後ろ足が弱ってきて、立ち上がるときに支えてあげるのが大変だったけど、ハーネスを使うと腰を痛めずに済みました。散歩やトイレの時にも大活躍です。(Kさん・ゴールデン14歳)

ペットカート

「体重が重くなって抱えるのも限界。ペットカートは散歩や病院の通院時に欠かせません。屋外でも段差の少ない道を選ぶ必要はありますが、愛犬も外の空気を楽しめています。(Fさん・ラブラドール13歳)

サービス活用法(訪問介護・動物病院・ペットシッター)

近年は、プロによる老犬介護サービスも選択肢が増えています。

自宅での介護が難しい時や、飼い主が体調を崩した時、旅行や出張などで一時的に手が足りない場合など、「サービスをうまく活用する」ことで心身の負担を減らすことが可能です。

主なサービスと特徴

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サービス名内容費用相場おすすめ度利用シーン例
訪問介護サービス専門スタッフが自宅でケア1回 5,000円~★★★★☆急な外出、体調不良、仕事の時
動物病院の介護預かり通院時・長期預かり日額 3,000円~★★★★☆療養・介護が長引く時
ペットシッター自宅での見守り・散歩1回 3,000円~★★★★☆旅行・出張・家族不在の時

実際にサービスを利用した体験談

男性

仕事の都合で丸1日家を空けなければならず、訪問介護サービスを初めて使いました。プロの方が介護記録をしっかり付けてくれて、帰宅後もスムーズにケアを引き継げました。定期的に利用すれば、飼い主も愛犬も安心できます。(Hさん・シーズー17歳)

老犬介護にかかる費用とお金の悩み

老犬介護を始めると、これまで以上に出費が増えます。

思ったよりお金がかかった…。

想定外の支出があった…。

という声はとても多く、事前にどんな費用が必要になるのか把握し、無理のない介護計画を立てることが重要です。この章では、主な費用項目とその目安、実際にかかるお金の実例、費用比較表、節約アイデアまで具体的に紹介します。

介護に必要な毎月・年間コスト

老犬介護にかかる費用は、「日常のグッズ購入」「病院・ケアサービス」「フードやサプリメント」「突発的な医療費」など多岐にわたります。

主な費用項目と目安

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項目月額目安年額目安コメント
介護マット・ベッド1,000円〜3,000円12,000円〜36,000円数年使えるが消耗も早い
介護用オムツ3,000円〜7,000円36,000円〜84,000円頻度・体格で変動大、まとめ買いで節約可
フード・サプリメント5,000円〜10,000円60,000円〜120,000円介護食・流動食は高価になりやすい
病院・通院費2,000円〜10,000円24,000円〜120,000円突発的な治療や検査で急増することも
ケアサービス利用5,000円〜20,000円60,000円〜240,000円頻度により大きく変動
雑費・消耗品2,000円〜5,000円24,000円〜60,000円ペットシーツ・洗剤・清拭グッズなど

※上記は目安。介護度や犬種、地域によって大きく変動します。

費用比較表・節約アイデア

老犬介護では「何に一番お金がかかるのか?」を把握し、節約できる部分・妥協できない部分を見極めることが大切です。

主なグッズ・サービス費用比較

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項目安価(節約型)標準高価(プレミアム型)コメント
介護マット薄手敷パッド(2,000円)専用マット(8,000円)オーダーメイド(20,000円〜)安価品は洗い替え用にも便利
オムツ量販店PB品(1,000円/30枚)専用(2,500円/30枚)布製再利用タイプ(4,000円)使い捨て・布製どちらも一長一短
ペットカート中古(5,000円)新品(15,000円)多機能高級(40,000円)大型犬用は高額
ケアサービス利用なし週1回(20,000円/月)頻繁利用(60,000円/月)家族や友人での協力もコストダウンに

節約アイデア

  • オムツやシーツはネットのまとめ買いで単価を下げる
  • 介護グッズは中古品やリユースを活用
  • ケアグッズや補助アイテムは手作りも視野に
  • 動物保険の適用範囲も事前に確認
  • 家族やペット仲間と情報共有して、必要なものを“回し使い”する工夫も有効

実際の“想定外”出費・リアルな声

通院が増えたとたん、毎月の医療費が2〜3万円を超えた。ペット保険が効かない検査や投薬が続き、家計が厳しくなった(Cさん・柴犬14歳)

介護グッズは最初に全部揃えたけど、結局一部しか使わないものも多かった。ネットやSNSで実際に使った人の声を調べてから買えば無駄が減ると思う(Kさん・ミニチュアダックス15歳)

実録・体験談&失敗談から学ぶリアルな老犬介護

老犬介護は「経験した人にしか分からない悩み」が数多くあります。

本やネットだけでは知ることのできないリアルな声や現場の工夫、そして失敗から得た知恵は、これから介護を始める飼い主にとって大きな力になります。

この章では、実際に老犬介護を経験した飼い主たちの声、日々の流れ、そして「もっと早く知りたかった!」と思ったポイントまで、詳しく紹介します。

体験者インタビュー/我が家の介護記録

1日のリアルな介護スケジュール(例)

時間介護内容
朝5:30寝返り・おむつ交換・体調チェック
6:00朝ごはん(流動食)、服薬・水分補給
7:00短い散歩・排泄介助
9:00寝床を整え、掃除・洗濯
12:00昼ごはん、清拭、体位変換
15:00家族で見守り、マッサージ
18:00夕ごはん・トイレ介助
20:00薬・水分補給、体調記録
23:00夜の寝返り・おむつ交換
夜間家族交代で夜鳴きや徘徊の見守り

体力的にきつい時期もあったけれど、家族が分担し、記録を付けることで“頑張りすぎない”ことを大切にしました(飼い主Tさん・柴犬16歳)

やって良かったこと・後悔したこと

良かったこと

  • 早めに介護グッズを揃え、使い方を家族全員で共有
  • かかりつけの獣医と密に連絡をとり、少しの変化でもすぐ相談
  • 「介護日記」を付けることで犬の変化に気付きやすくなった

後悔・失敗したこと

  • 「まだ大丈夫」と思い込み、サインを見逃した結果、床ずれや皮膚トラブルが悪化した
  • オムツやベッドを安さで選び、結果的に無駄遣いに
  • 飼い主自身の体調を後回しにし、倒れてしまい介護が続けられなくなった

“犬のために”と思いすぎて、自分が倒れては意味がないと実感しました。家族や友人、時にはプロの力も遠慮せず頼ることが大切です(飼い主Mさん・ラブラドール15歳)

介護ストレスとメンタルケア

老犬介護は肉体的にも精神的にも負担が大きいものです。「ちゃんとできていないのでは」「愛犬が苦しんでいるのでは」と自分を責めてしまう飼い主も少なくありません。

ストレス対策のポイント
  • 家族や周囲と情報を共有し、悩みを一人で抱え込まない
  • 完璧主義を手放し「できることをできる範囲で」と考える
  • 短い時間でも自分の趣味やリラックスタイムを確保する
  • SNSや介護コミュニティなどで、同じ悩みを持つ人とつながる

辛い時はSNSで同じ境遇の人たちの投稿を見て、励まされました。みんな悩みながらも工夫して頑張っていると知るだけで、気持ちが軽くなりました(飼い主Sさん・ミニチュアダックス17歳)

Q&A・よくある悩み相談

老犬介護の現場では、ネットや本だけでは解決できない「リアルな疑問や悩み」が次々に出てきます。この章では、多くの飼い主が直面する“本音のQ&A”をまとめ、できるだけ具体的な解決策とあわせてご紹介します。

夜鳴きが止まらない…どうすればいい?

夜鳴きは、認知症や不安、体調不良が原因で起こることが多いです。

まずは日中に適度な運動や刺激を与え、夜間は部屋を暗くしすぎず、安心できる空間を作りましょう。

アロマやヒーリング音楽も効果的です。どうしても改善しない場合は、獣医師に相談し、薬やサプリの活用も検討を。

ごはんを食べてくれない時は?

食欲がない場合は、フードの種類や形状を変える、温めて香りを立てる、ウェットフードや手作り食に切り替えるのも有効です。

誤嚥や口腔トラブルが隠れていることも多いので、様子が長引く場合は早めに病院で診てもらいましょう。

寝たきりになったら何が必要?

床ずれ防止のマットや体位変換クッション、通気性の良いオムツが必須です。

排泄や清拭のグッズも揃えておきましょう。褥瘡(床ずれ)や皮膚炎を防ぐため、数時間ごとに体位を変える・定期的な皮膚ケアが大切です。

介護に疲れた時、誰に相談すればいい?

家族や友人、かかりつけの動物病院はもちろん、最近では介護の悩みを共有できるSNSやオンラインコミュニティ、自治体やNPOが運営するペット介護相談窓口もあります。

無理をせず「助けを求める勇気」を持つことが、長く続く介護には不可欠です。

愛犬の“最期”が近いと感じたら、どうすればいい?

食欲や反応が極端に落ち、苦しそうな場合は獣医師としっかり連携を。

最期の時をどう過ごすかは家族の考え方によりますが、「静かな場所で寄り添い、触れてあげる」「写真や動画で思い出を残す」ことも大切です。

後悔しないために、できるだけ穏やかに見送れるよう、今できることを準備しましょう。

老犬介護チェックリスト&便利資料まとめ

老犬介護を無理なく進めるには、「できるだけシンプルに管理する」ことと、「現状や変化を“見える化”する」ことが大切です。

この章では、介護を始める際に役立つチェックリストや日々の記録用テンプレートをまとめてご紹介します。

介護のはじめに役立つ「準備リスト」

老犬介護を始める前に揃えておくと安心なグッズや準備項目をリスト化しました。

老犬介護スタート準備リスト

□ 介護用マット・ベッド

□ 通気性の良いオムツ・ペットシーツ

□ 食器(滑り止めつき・高さ調整タイプ)

□ 介護ハーネス・体位変換クッション

□ 消臭・除菌グッズ(ペット用消臭スプレー・ウェットシート)

□ 介護日記や体調記録ノート

□ かかりつけ獣医の連絡先リスト

□ 緊急時の預け先やペットシッターの情報

□ 家族での役割分担表

□ SNS・オンラインコミュニティへの登録(相談・情報交換用)

毎日の健康・排泄管理チェック表

日々の体調変化や排泄の状態を簡単に記録しておくことで、病気の早期発見やケアの見直しに役立ちます。

老犬健康・排泄チェック表(例)

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日付体温食欲排泄状況水分摂取量体調・行動の変化気づいたこと
2024/6/137.9良好多めよく眠る夜鳴きあり
2024/6/238.2少ない普通食欲落ち気味嘔吐あり

介護日記・管理ノートのテンプレート案

「できるだけ簡単に、だけど見返せる形で」日々の出来事やケア内容を記録しましょう。

介護日記テンプレート(例)

  • 今日の様子(元気・しんどそう・普段通り など):
  • 食事内容・食べた量:
  • 排泄状況(回数・状態):
  • お薬・サプリの記録:
  • 気づいた変化・異常:
  • 家族間の連絡メモ・介護の分担記録:
  • その日の反省点・良かったこと:

この章では、老犬介護を始める際に“迷わない・漏れがない”ためのチェックリストや、日々のケアを見える化できる資料をまとめました。プリントアウトして貼っておく、家族で共有するなど、現場でぜひ活用してください。

まとめ|老犬介護で得られる絆と、悩まないためのヒント

老犬介護は、飼い主にとっても犬にとっても決して楽なものではありません。

しかし、「うまくできなくてもいい」「完璧を目指さなくていい」と自分に言い聞かせることが、何より大切です。介護の中で悩み、つまずき、時に涙する日もあるでしょう。

それでも、愛犬と一緒に過ごした時間や、手をかけてあげた経験は、必ず“かけがえのない思い出”となってあなたの心に残ります。

飼い主一人が背負い込まず、家族や専門家、同じ悩みを持つ仲間と「つながる」ことも、長い介護生活を続けるコツです。困ったときは無理をせず、助けを求める勇気を持ちましょう。

老犬介護を通して生まれる“新しい絆”や、穏やかな最期を見送るための「納得感」。それは、どんな苦労よりも大きな財産です。

愛犬の老いと向き合いながら、「今できること」を一つずつ大切に重ねていく――それが、後悔しない介護への近道です。

最後に|読者のあなたへ

介護の途中でつまずいたり、どうしたらいいかわからなくなった時は、この記事のチェックリストや体験談を振り返ってみてください。

「困ったら、誰かに頼る」ことができれば、あなたも愛犬もきっと大丈夫です。

これから始まる老犬介護の日々が、愛犬とあなたにとって優しく温かい時間となりますよう、心から願っています。

最後に各介護のチェックリスト(PDF・ドキュメント)ファイルを載せておきますので、有効活用してください。

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この記事を書いた人

子供の頃から動物が大好きです!今は保護犬チワワの「とてち」とマンチカン「こいけ」、保護猫の「こまつ」と生活しています。トリマーをしながら栄養士の資格も取得しようと奮闘中です。

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