かわいい子犬をむかえてワクワクと暮らしていたある日、突然愛犬がうんちを食べる光景を見て驚いたことがある飼い主さんもいるのではないでしょうか。人間にとってはありえない光景ですが、実は犬がうんちを食べるのは珍しいことではありません。
「食糞行動」と呼ばれるうんちを食べる行為は、子犬の時期には一般的なものだとされています。とはいえ、飼い主さんは受け入れがたいと感じる方が多いでしょう。
この記事では
- なぜ犬はうんちを食べるの?
- 犬がうんちを食べる理由は?
- 犬はうんちを食べても身体に害がないの?
- 成犬になってからうんちを食べはじめたけど大丈夫?
といった「食糞行動」に関する悩みや疑問に答えながら、食糞行動を改善する方法を解説していきます。
犬がうんちを食べるのは普通ってホント?
人間にとってはショックな光景ですが、犬の食糞行動はごく自然な行動だとされています。
基本的に母犬は生後間もない子犬の肛門をなめ排便を促したり、清潔に保ったりします。そのように育てられている犬にとって、肛門を舐めたりうんちが口に入ったりするのは自然なことだといえるでしょう。
また、犬が野生で生活していた頃のなごりとしての「食糞行動」も考えられます。
犬がうんちを食べる理由は何?
犬がうんちを食べてしまう理由は以下の点が考えられます。
- 母犬の真似をしている
- 遊びで食べている
- 栄養不良・消化不良
- 飼い主さんの気を引いている
- うんちを隠そうとしている
母犬の真似をしている
子犬の頃に母犬がしてくれた行為を真似して、排泄物を片付けているつもりで食糞行動を行っている可能性があります。
遊びで食べている
子犬の場合、うんちをオモチャだと思って遊んでいるうちに食べてしまうこともあります。もともと子犬の頃はなんでも口に入れて確認するため、うんちをオモチャに見立てて遊んだりくわえて運んだりしているうちにそのまま食べてしまいます。
栄養不良・消化不良
本来必要な栄養素が足りていない場合も犬はうんちを食べることがあります。また、消化不良で未消化のものがうんちに混ざっている場合も、興味を持ってそのまま食べてしまいます。
「ドッグフードを変えたらうんちを食べるようになった」という場合は、ドッグフードが体に合わず消化不良を起こしている可能性があります。
食べものが消化されずにそのまま排出されるため、ドッグフードのニオイを感じてうんちを食べものだと認識して食べてしまうこともあります。
飼い主さんの気を引いている
食糞行動を行った際に飼い主さんがビックリしてスグに来てくれた経験があると、犬はそれを学習し遊んで欲しい時や構って欲しい時など飼い主さんの気を引くためにうんちを食べてしまうケースもあるようです。
食糞行動を発見しても過剰な反応をしないように気をつけましょう。
うんちを隠そうとしている
トイレトレーニングの失敗などで怒られた経験がある子犬は、恐怖心からうんちを隠すために食べてしまうことがあります。またうんちを我慢するようになってしまうこともあるため、排泄の失敗は叱らないように心がけることが大切です。
犬はうんちを食べても大丈夫?危険な食糞との見分け方
犬がうんちを食べてしまうという行為自体は、ごく普通のことで健康上の問題はありません。
しかし、万が一寄生虫に感染した犬が排泄したうんちを食べてしまうと排泄したうんちに含まれる寄生虫が体内に入り再び感染するリスクがあります。
成犬や老犬の「食糞行動」は注意
今までうんちを食べていなかったのに、成犬や老犬になってからうんちを食べるようになった場合には注意が必要です。
体内に寄生虫がいて栄養を取られてしまっている、ステロイドなどの副作用によって食欲が増している可能性が考えられます。また、老犬の場合は認知症などが原因で空腹感を我慢できずにうんちを食べてしまう場合もあるようです。
こういった原因での「食糞行動」は、獣医師に相談して対応するようにしてください。
犬の食糞行動をやめさせる5つの方法
子犬の時期の食糞行為は、成犬になるにつれて消えていく場合がほとんどです。とくに対策をしなくても大抵は成犬になるころには落ち着きます。
とはいえ、一緒に生活をしている愛犬がうんちを食べる様子を見るのはあまり気持ちのよいものでないと感じる飼い主さんも多いでしょう。
また、まれに1歳をすぎても自分のうんちを食べ続ける犬もいます。成長するほどやめさせるのは難しくなるため、早いうちに対策をとった方が良いでしょう。
1. うんちをしたらスグに片付ける
うんちを食べる光景を見てつい大きな声を出してしまう飼い主さんもいますが、これはやってはいけない行為です。大きな声を出すと犬が怒られたと勘違いして、うんちを隠そうと急いで食べてしまうケースや排泄をすること自体を我慢するようになってしまうケースが考えられます。
また、飼い主さんの大きな声を聞いて「自分が注目されている」と喜ぶ犬の場合は、飼い主さんから注目してもらうためにわざとうんちを食べる可能性もあるでしょう。
うんちをした後はすぐに飼い主さんが片付け、物理的にうんちを食べられない状況をしばらくつくることが解決への近道とされています。
しかし留守中など飼い主さんが不在の間にうんちを食べてしまう場合は、おもちゃやガムなどのおやつを用意してあげることで多少の改善は期待できるでしょう。
しかし、退屈しのぎでうんちを食べる子犬も多く、うんちが犬のそばに置きっぱなしになっている時間が長いほど食べてしまう可能性は高くなります。
どうしても長時間の留守番をさせなければならない場合は、休日に時間をかけてなおしていくか、自動トイレを使用して物理的に食べられない状況をつくるという方法もあります。
成長とともに排泄の時間は決まってくるため、留守中に排泄の時間が重ならないよう食事や散歩のタイミングを調節してもよいかもしれません。
2. フードを見直す
犬が食糞行動を行う理由で解説した通り、栄養不良や消化不良もうんちを食べる原因です。そのため、今食べているドッグフードを見直すだけでもうんちを食べなくなることがあります。
ドッグフードの種類だけでなく食事量も大切な目安です。一気に食べてしまうクセがある場合には、早食い防止の食器に変えてしっかり消化できるようにしましょう。
3. サプリメントで補う
排泄したてのうんちは犬にとって、ニオイが強く美味しそうに感じます。とくに消化不良で未消化のものがまざったうんちは、犬にとってホカホカのウェットフードのようなものだと言っても過言ではありません。
そのため、サプリメントなどを活用してうんちのニオイを抑える対策をすると食指が動かずにうんちを食べなくなる可能性もあるでしょう。
4. ストレスを溜めないようにする
散歩や遊ぶ時間が足りないと好奇心が満たされず体力も余ってしまうため、食糞行動をしてしまうこともあります。また、飼い主さんとのコミュニケーション不足もうんちを食べる原因のひとつだと言われています。
とくに飼い主さんが忙しい時や留守番が多くかまってもらえる時間が少ない時は、ストレスが溜まり退屈しのぎにうんちを食べるようになる子犬もいます。子犬の時期は、遊んだり甘えたりして心を満たしてあげることも大切な食糞対策のひとつだといえるでしょう。
5. 病院で検査をする
栄養不良や消化不良の原因がお腹の中に寄生虫がいる場合や内臓の動きが弱く消化力が落ちている場合は、生きるための栄養を補おうと本能的にうんちを食べている可能性があります。
- 今までは食べたことがないのに、突然うんちをたべるようになった
- 色々な対策を試してもまったく改善する様子がない
といった場合には、動物病院で相談してみましょう。
うんちを食べる子犬にはトイレトレーニングでの対策も有効!
うんちは愛犬の健康のバロメーターです。食糞は犬にとっては問題のない行動とはいえ、病気が隠れるケースや精神的な問題が原因のケースも考えられます。
しっかりとトイレトレーニングを行うことで愛犬の便の状態を把握し、健康上のトラブルを早期に見つけることもできます。
子犬のころからトイレトレーニングを行うことで、飼い主も犬も心身ともに健康な毎日を過ごすことができるでしょう。
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