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チワワに多い病気と対策完全ガイド|症状・予防・治療まで徹底解説

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小さくて可憐なチワワは、家族として日々の癒しを与えてくれる存在です。しかしその一方で、体が小さく骨や臓器が繊細なチワワは、特定の病気にかかりやすい犬種でもあります。しかも、チワワの病気は初期症状がわかりづらく、見逃すと命に関わるケースも少なくありません。

いつもより震えている気がする…

咳が増えた…

急に元気がない…

――こうした小さなサインが、重大な病気の入り口であることもあります。

愛犬の異変にいち早く気づけるかどうかは、飼い主がどれだけ正しい知識を持っているかにかかっています。本記事では、チワワに多い病気を網羅的に取り上げ、その症状・原因・予防・治療法・費用・緊急時対応までを段階的にわかりやすく解説していきます。

また、飼い主のリアルな体験談や、ペット保険の活用法など、実用的な情報も加えることで、チワワと健康に暮らすための“実践的なガイド”となることを目指しています。

「知らなかった」ではなく「知っていたから防げた」

このページが、あなたとチワワのかけがえのない毎日を守る第一歩となりますように。

チワワの病気と向き合うために、知識が飼い主の力になる

チワワ完全ガイド|性格・特徴・飼い方・かかりやすい病気まで徹底解説

目次

第1章|チワワに多い代表的な病気一覧(症状早見表付き)

チワワは体が小さく、骨や内臓も非常に繊細な構造をしています。そのため、遺伝的に発症しやすい病気や、体の構造上気をつけるべき疾患が複数存在します。この章では、特に発症リスクが高い代表的な病気を症状・危険度とともに表形式で一覧にし、飼い主が早期に気づけるよう整理しました。

チワワに多い病気 一覧表

スクロールできます
病名主な初期症状放置時のリスク発症頻度
膝蓋骨脱臼(パテラ)足をかばう、片足を上げて歩く
カクカク歩く
歩行困難、関節炎非常に多い
僧帽弁閉鎖不全症
(心臓病)
咳、疲れやすい、呼吸が荒い心不全、突然死多い
気管虚脱ガーガーという咳、興奮時に悪化呼吸困難、慢性化多い
歯周病口臭、歯茎の赤み、食べにくそう顎の骨折、食欲低下、感染症非常に多い
低血糖症ふらつき、けいれん、無反応意識喪失、命の危険子犬に多い
水頭症頭のふくらみ、ふらつき、けいれん神経障害、失明まれだが重篤
角膜損傷・ドライアイ目やに、しょぼしょぼする
涙が多い/少ない
失明、目の変形多い
門脈体循環シャント
(肝疾患)
ふらつき、よだれ、成長不良
神経症状
肝性脳症、命に関わるまれだが要注意

このように、チワワは関節・心臓・呼吸器・消化器・目・歯と、体のあらゆる部分で特有のリスクを抱えています。多くの病気は初期症状が非常にささいで、見逃されがちです。

「ちょっと様子が変かも」と感じたら、“病気の前兆かもしれない”という視点を持つことが重要です。

次章では、これらの病気について一つひとつ詳しく解説し、予防や治療、実際にかかる費用まで掘り下げていきます。

チワワがいびきをかく原因と対策|放置NGな病気サインと飼い主ができること

第2章|代表的な病気の詳細と対策

ここでは、チワワに特に多く見られる代表的な病気について、症状・原因・予防・治療法・費用相場を詳しく解説します。早期発見と正しい対処によって、重症化を防ぐことができます。

1. 膝蓋骨脱臼(パテラ)

チワワに非常に多く見られる関節の病気で、後ろ足の膝の皿が外れる状態を指します。初期は違和感程度でも、進行すると歩行障害や痛みを引き起こします。滑る床や高い段差に要注意です。

症状と特徴

  • 後ろ足をかばって歩く
  • 歩き方がぎこちない、スキップするような歩き方
  • 患部を舐める、嫌がる

原因

  • 先天性(遺伝的要因)または後天性(転倒やジャンプによる外傷)
  • 膝蓋骨が内側または外側にずれることで発症

予防策

  • 滑りやすい床(フローリング)を避け、マットを敷く
  • 高い場所からのジャンプや急な運動を控える
  • 成長期の体重管理を徹底する

治療と費用

症状治療法・費用
軽度安静、消炎剤、サプリメントなどの保存療法(月3,000~10,000円)
重度整形外科手術が必要(手術費用目安:約15万〜30万円)

2. 僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)

中高齢期のチワワに多い心臓の病気です。心臓の弁がうまく閉じなくなることで血液が逆流し、やがて心不全に進行します。咳や疲れやすさなど、日常の変化を見逃さないことが重要です。

症状と特徴

  • 軽い運動で疲れる
  • 安静時でも咳をする、夜間の咳が多い
  • 呼吸が早くなる、胸部の動きが大きくなる

原因

  • 加齢に伴う心臓弁の老化(主に中高齢期以降)
  • 僧帽弁がしっかり閉じなくなり、血液が逆流

予防策

  • 高齢期に入ったら定期的な心臓検査(聴診・エコー)
  • ナトリウム制限など心臓に優しい食事管理
  • 適度な運動とストレス回避

治療と費用

内科的治療(心臓薬の投与)月5,000~15,000円
重症時入院・酸素室管理・外科手術が必要(先進治療:約60万円以上)

3. 気管虚脱

「ガーガー」という咳が特徴的な、チワワに多い呼吸器の病気です。首元への圧迫や肥満が悪化要因となり、重度になると呼吸困難に陥る危険もあります。早期に発見し、適切な管理が必要です。

症状と特徴

  • ガーガーというガチョウのような咳
  • 興奮時・暑い日に症状悪化
  • 呼吸困難、ゼーゼー音

原因

  • 気管の軟骨が弱く、気管が潰れてしまう
  • 遺伝的要素が強いが、肥満や引っ張り癖のある散歩も悪化因子

予防策

  • ハーネス(胴輪)使用で首への圧迫を避ける
  • 肥満を防ぐ
  • 興奮を避ける生活環境の整備

治療と費用

症状治療法・費用
軽度咳止め薬や気管支拡張剤の投与(数千円〜)
重度ステント挿入手術(30万〜60万円)も選択肢

4. 歯周病

チワワは顎が小さく歯が密集しているため、歯周病のリスクが非常に高い犬種です。進行すると歯が抜けるだけでなく、全身疾患の引き金にもなります。日々の口腔ケアが予防の鍵です。

症状と特徴

  • 口臭が強くなる
  • 歯茎が赤く腫れる、出血する
  • 食欲低下、よだれが増える

原因

  • 食べカスや歯垢が歯石化し、細菌が繁殖
  • 小型犬は歯が密集しているためリスクが高い

予防策

  • 歯磨き(毎日または週3回以上)を習慣化
  • デンタルガムや液体歯磨きの活用
  • 1年に1回は動物病院での歯石除去

治療と費用

症状・治療法費用
歯石除去全身麻酔下で3〜5万円
重度の抜歯や感染がある場合5万円〜10万円以上

5. 低血糖症(特に子犬に多い)

主にチワワの子犬に発症しやすい代謝性のトラブルです。血糖値が急激に下がることで、ふらつきやけいれん、最悪の場合は昏睡や死亡につながることもあります。極小サイズのチワワは特に注意が必要です。

症状と特徴

  • 突然元気がなくなる
  • 震える、ふらつく、けいれん
  • 意識がもうろうとする、昏睡

原因

  • 空腹時間が長すぎる
  • ストレス、環境の変化
  • 成長期のエネルギー不足
  • 極小サイズ(ティーカップタイプ)に多い

予防策

  • 子犬期は1日3〜4回の少量頻回の食事
  • 長時間の留守を避ける
  • 低血糖時用にブドウ糖やシロップを常備

治療と費用

症状治療法・費用
軽度口から糖分を補給(ブドウ糖液など)で回復可能
重度即時の静脈点滴と入院が必要(1〜3万円程度)

6. 水頭症(先天性の脳疾患)

脳の中に脳脊髄液が過剰に溜まり、圧力によって脳が障害を受ける病気です。チワワでは先天性のケースが多く、重症化すると神経系の異常や失明などが起こります。早期診断と継続的な管理が鍵です。

症状と特徴

  • 子犬期は1日3〜4回の少量頻回の食事
  • 長時間の留守を避ける
  • 低血糖時用にブドウ糖やシロップを常備

原因

  • 先天性のため予防は困難
  • チワワのブリーダー選びが重要(親犬の健診確認)

治療と費用

治療法費用
投薬(脳圧降下剤など)継続的な内科管理で月5,000円〜
外科的処置(シャント設置手術)20万円〜(高額な場合は100万円程の場合も)

7. 角膜損傷・ドライアイ

目が大きく突出しているチワワは、風やホコリ、家具との接触などで角膜を傷つけやすく、ドライアイも併発しやすい体質です。放置すると失明につながる恐れがあるため、日頃の観察とケアが欠かせません。

症状と特徴

  • 目が赤い、しょぼしょぼする
  • 目やに・涙の量が増減する
  • まばたきの回数が増える

原因

  • 目が大きく突出しており、乾燥・外傷に弱い
  • まつ毛や異物の接触、乾燥環境、感染など

予防策

  • 加湿器などで室内の湿度管理
  • 顔まわりに刺激のある植物や家具を置かない
  • 散歩時は草むら・枝の多い場所を避ける

治療と費用

症状治療法・費用
軽度点眼薬・軟膏で回復(月2,000〜5,000円)
重度角膜潰瘍や穿孔の場合は手術(5万〜10万円以上)

8. 門脈体循環シャント(肝疾患)

本来、体内の老廃物を処理するはずの血液が肝臓を通らずに循環してしまう先天的な疾患です。チワワなどの小型犬に一定数見られ、神経症状や成長不良の原因となります。外科手術が必要になることもあります。

症状と特徴

  • 成長不良、食が細い、元気がない
  • よだれ、ふらつき、行動異常(徘徊、意識障害など)
  • 尿が濃い、ニオイが強い

原因

  • 本来肝臓を通るべき血液が、異常な血管を通ってしまう先天性異常
  • 毒素の分解が行われず、神経系に影響

予防策

  • 先天的なため予防は困難
  • 繁殖ラインの確認と早期健診が重要

治療と費用

治療法費用
食事療法(低たんぱくフード)と内科的治療月5,000〜10,000円
外科的手術(シャント閉鎖)30万〜80万円程度

第3章|年齢別に注意すべき病気とその兆候

チワワの健康管理は、その年齢やライフステージに応じて注意すべき病気が大きく変化します。この章では、子犬・成犬・シニア犬といった年齢ごとに見られやすい病気と、飼い主が注意すべき兆候、予防のポイントをわかりやすく整理します。

チワワは多頭飼いに向いている?性格・相性・注意点・成功例と失敗例まで徹底解説

子犬期(生後〜1歳)

主に「先天性疾患」や「代謝系のトラブル」が起きやすい時期です。体力が未発達で免疫も不安定なため、ちょっとした変化でも命に関わる場合があります。

よくある病気

  • 低血糖症
  • 水頭症
  • 感染症(パルボウイルス、ジステンパーなど)
  • 外耳炎、寄生虫感染

チェックすべき兆候

  • 食欲がない、体重が増えない
  • 寝てばかりいる、反応が鈍い
  • 鼻水・下痢・嘔吐・咳などの風邪様症状

予防と対策

  • こまめな食事と体温管理
  • ワクチン接種のスケジュール遵守
  • ブリーダーや保護元の健康証明を確認
  • 初期健診と定期健康診断の実施

成犬期(1歳〜7歳)

身体機能がもっとも安定し、健康に見える時期ですが、生活習慣病や慢性的な疾患が水面下で進行するケースがあります。「元気に見えても油断しない」がポイントです。

よくある病気

  • 歯周病
  • 膝蓋骨脱臼(進行性)
  • アレルギー性皮膚炎
  • 気管虚脱(初期症状)

チェックすべき兆候

  • 口臭、歯の黄ばみ、よだれ
  • 咳が増えた、息が荒い
  • 舐め続ける部位がある
  • 片足を浮かせて歩くようになる

予防と対策

  • デンタルケアの習慣化
  • 滑り止めマット・段差防止対策
  • 定期健診(年1〜2回)での早期発見
  • 体重の維持とバランスの取れた食事

シニア期(7歳〜)

老化によって全身の機能が徐々に低下し、心臓・肝臓・腎臓などの内臓疾患や、がん、認知症などのリスクも高まります。定期検診と生活環境の見直しが重要になります。

よくある病気

  • 僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)
  • 門脈体循環シャント
  • 白内障、緑内障
  • 腫瘍(乳腺腫瘍・皮膚腫瘍など)

チェックすべき兆候

  • 咳が増えた、歩くのが遅くなった
  • 食欲の波が激しい
  • 夜に吠える、うろうろする(認知機能低下の兆候)
  • 排泄の失敗や回数の変化

予防と対策

  • 年2回の健康診断(血液検査・エコー・レントゲン)
  • 心臓に配慮した食事・サプリメント
  • 安静スペースの確保と段差対策
  • 抱っこや散歩時間の調整(疲れすぎに注意)

まとめ

年齢に応じて出やすい病気と兆候を知っておくことは、早期発見・早期治療の最大の武器です。「うちの子は元気だから大丈夫」ではなく、「年齢に応じた健康チェックを習慣化する」意識が、チワワの健康寿命を大きく伸ばします。

第4章|病気予防のためにできる習慣と工夫

病気の発見や治療も重要ですが、最も大切なのは「病気にならないための生活習慣づくり」です。

特にチワワのように身体が小さく、さまざまなリスクを抱えた犬種にとって、日々のケアや環境づくりは病気予防の根幹となります。この章では、飼い主が実践できる具体的な予防習慣とその効果について解説します。

1. 食事と体重管理

なぜ重要か?

チワワの病気の多くは「肥満」が引き金になります。膝蓋骨脱臼、気管虚脱、心臓病などは体重が重くなるだけで発症や悪化のリスクが格段に上がります。

習慣にすべきこと

  • 適正体重(1.5〜3.0kg前後)を常に意識する※個体差あり
  • 毎日同じ時間・同じ量で給餌する
  • おやつはフード量に含め、過剰に与えない
  • 定期的に体重を測定し、月単位で記録

2. デンタルケアの徹底

なぜ重要か?

歯周病はチワワにとって最も多い病気のひとつで、放置すると顎の骨を溶かしたり、内臓疾患のリスクにもなります。

習慣にすべきこと

  • 毎日または週3回以上の歯磨き(歯ブラシ or 指ガーゼ)
  • 歯磨きが難しい場合は、デンタルガムや口腔洗浄液を併用
  • 歯石がつきやすい犬は年1回のスケーリング(獣医処置)を検討

3. 定期健診と予防接種

なぜ重要か?

多くの病気は症状が出る頃には進行していることが多く、健康なうちからの“見えない変化の可視化”が重要です。

習慣にすべきこと

  • 年に1回の健康診断(血液・尿・便・心音チェック)
  • 7歳を超えたら年2回に
  • ワクチン(狂犬病・混合ワクチン)やフィラリア・ノミダニ予防を季節に応じて実施

4. 室内環境の整備

なぜ重要か?

チワワは転倒や打撲、骨折といった物理的な事故にも弱く、日常空間そのものが病気やけがの原因になることがあります。

習慣にすべきこと

  • フローリングには滑り止めマットやカーペットを敷く
  • ソファ・ベッド周辺にはステップやクッションを設置
  • 室温は22〜25℃、湿度は40〜60%前後を目安にエアコンや加湿器で調整
  • 観葉植物や電気コードなどの危険物はチワワの届かない位置に設置

5. 毎日の“観察”を習慣にする

なぜ重要か?

病気の兆候は、日々の行動や食事、排泄などの“変化”に現れます。早期発見には、日常の細かな観察が不可欠です。

習慣にすべきこと

  • 食欲、飲水量、排泄(色・回数)の変化を記録
  • 歩き方、動き、鳴き声、しぐさの違和感に敏感になる
  • 毎日体を触り、しこりや痛がる部位がないかチェック

まとめ

病気の多くは「生活の質(QOL)」と直結しています。日常の“ちょっとした変化”に気づけるかどうかは、飼い主がどれだけ習慣化された健康管理をしているかにかかっています。予防は完璧ではありませんが、確実に「病気のリスクを減らす力」になります。

第5章|緊急時マニュアル:この症状はすぐ病院へ

どれだけ日々の健康管理に努めていても、病気やケガの兆候は突然訪れます。

特にチワワのような小型犬は、わずかな体調変化が命に関わる緊急事態につながる可能性があるため、早めの対処が不可欠です。この章では、すぐに病院へ連れて行くべき症状と、自宅での応急対応、備えておきたい救急用品について解説します。

1. 今すぐ病院に連れて行くべき症状一覧

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症状想定される疾患・リスク
ぐったりして反応がない低血糖症、ショック状態、神経疾患
突然けいれんを起こす水頭症、脳疾患、熱中症、てんかん
歩けない、ふらついている門脈シャント、内耳疾患、神経障害
ガーガーと苦しそうに咳をする気管虚脱、心不全、異物誤飲
呼吸が浅く早い/舌が紫色に変色呼吸困難、心臓病、酸素不足
尿が出ない/血尿が出る尿石症、膀胱炎、腎不全
吐き気・下痢が1日以上続く感染症、内臓疾患、異物誤飲
目が赤く腫れている/白く濁っている角膜損傷、緑内障、ドライアイ

注意: これらの症状が出た場合、自己判断で様子を見るのは危険です。時間が勝負になるケースもあるため、迷ったらすぐに動物病院へ連絡・受診してください。

2. 自宅でできる応急対応

症状によっては、病院に行く前に最低限の応急処置を行うことで、状態の悪化を防ぐことができます。

低血糖の場合

  • 意識がある → ハチミツやブドウ糖を少量口に含ませる
  • 意識がない → 無理に与えず、すぐ病院へ(嘔吐・窒息の危険あり)

けいれんの場合

  • 安全な場所に移動させ、体を抑えずに見守る
  • 時間を測る(1分以上続くようなら緊急対応)

呼吸困難の場合

  • 暑さが原因であれば冷房のある場所に移動
  • 締め付ける首輪などは外し、落ち着かせる
  • 抱っこせず安静にさせる(移動はキャリーで)

外傷・出血の場合

  • 清潔なガーゼで圧迫止血
  • 出血量が多い・止まらない場合はすぐ病院へ

3. 自宅に備えておきたい救急用品

緊急時に慌てないために、家庭で用意しておくべき救急グッズを以下にまとめます。

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アイテム用途・備考
ブドウ糖液・蜂蜜低血糖の応急処置用(子犬に必須)
デジタル体温計平熱は約38〜39℃
ペット用爪切り・止血剤軽度な出血時の応急処置用
消毒液(イソジン等)小さな傷の洗浄
滅菌ガーゼ・包帯出血時の圧迫止血
ペット用キャリーバッグ緊急搬送・安静保持用
動物病院の連絡先表かかりつけ、夜間対応、救急病院など

まとめ

チワワのような超小型犬は、ほんの少しの異変でも一気に容体が悪化することがあります。「いつもと違う」は、すでに体の中で何かが起きているサインかもしれません。日々の観察と同時に、緊急時の対応マニュアルと物理的な備えを整えておくことが、飼い主としての最低限の責任です。

第6章|通院・治療費の目安とペット保険の活用法

犬を飼ううえで見落とされがちなのが「医療費の現実」です。

特にチワワは、小型犬特有の病気に加え、先天的な疾患リスクや事故の危険性もあるため、定期的な通院や高額治療が必要になるケースが少なくありません。この章では、代表的な病気の治療費目安と、家計負担を抑えるためのペット保険活用法をわかりやすく解説します。

1. 病気ごとの治療費目安

以下は、主なチワワの病気にかかる通院・治療費の参考例です。地域や病院によって差はありますが、目安として把握しておくとよいでしょう。

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病名主な治療内容費用の目安(税込)
膝蓋骨脱臼(パテラ)整形外科手術約15万〜30万円
僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)心臓薬・定期通院月5,000〜15,000円
気管虚脱薬物治療〜ステント手術数千円〜60万円
歯周病スケーリング〜抜歯・処置1万〜10万円
低血糖症点滴・入院5,000〜30,000円
水頭症脳圧降下剤〜外科手術月5,000円〜40万円
角膜損傷・ドライアイ点眼薬〜角膜形成手術数千円〜10万円
門脈体循環シャント内科管理〜シャント閉鎖手術月5,000円〜50万円以上

2. ペット保険の必要性と検討ポイント

必要性

  • 犬の生涯医療費は平均で約200万円~400万円、重病時には一度に100万円を超えることも
  • 高額な手術や入院が必要になると、「費用が理由で治療を諦める」選択を迫られるケースもある

適用されるもの・されないもの

適用される例適用されない例
病気・ケガの通院・手術ワクチン・予防接種
入院・処方薬健康診断・避妊去勢
検査・画像診断美容目的(爪切り・トリミング)

3. ペット保険を選ぶときのポイント

  • 補償割合(70%補償か、50%か)
  • 年間の補償限度額・通院回数制限
  • 待機期間(加入後すぐに使えるか)
  • 持病・既往歴の有無による制限
  • 保険料(月額1,000〜4,000円前後が多い)

4. 実際の活用事例(モデルケース)

事例1:膝蓋骨脱臼の手術とリハビリ

  • 治療総額:約28万円
  • ペット保険補償額:19万6,000円(70%補償)
  • 実負担額:8万4,000円に軽減

事例2:気管虚脱による通院治療(1年間)

  • 通院回数:月1〜2回、1年で15回
  • 総額:約12万円 → 保険適用後 約3万6,000円の自己負担

まとめ

ペットの医療は人間のような公的保険制度がないため、突発的な支出が家計に直接影響します。特にチワワのように病気のリスクが高い犬種では、ペット保険は「安心を買う手段」として現実的な選択肢になります。

加入するか否かにかかわらず、「万一のためにいくら準備しておくべきか」という視点で、治療費の目安と支払い能力を見直すことが大切です。

第7章|実例紹介:飼い主が語る病気の体験談

病気の情報や予防法は、教科書的な知識だけでは伝わりきらない現実があります。ここでは、実際にチワワの病気と向き合った飼い主たちの体験を紹介します。診断されたときの気持ち、治療にかかった費用、生活の変化など、リアルな声から学べることは多いはずです。

体験談1|膝蓋骨脱臼(パテラ)で手術を決断したケース

飼い主:40代女性・東京都在住/愛犬:ココ(3歳・ロングコート)

ソファから降りたときに足をかばうような仕草をしていたのがきっかけでした。最初は様子を見ていましたが、次第に片足を浮かせて歩くようになり、病院へ。

診断は膝蓋骨脱臼・グレード3。獣医師に『放っておくと関節炎や骨変形につながる』と聞いて、悩んだ末に手術を決断しました。

術後のリハビリや安静期間は大変でしたが、今では元気に走れるように。費用は合計で約28万円。保険に入っていたおかげで自己負担は9万円ほどで済みました。

体験談2|心臓病と向き合いながら17歳まで生きたチワワ

飼い主:60代夫婦・大阪府在住/愛犬:ミルク(享年17歳)

10歳を過ぎた頃から、咳が増えて、夜中に苦しそうにすることも。病院で『僧帽弁閉鎖不全症』と診断され、そこからは毎月の通院と薬が欠かせませんでした。

食事も心臓病用フードに切り替え、散歩も短めに調整。かかる費用は月に1〜1.5万円ほど。でも私たちは、ミルクが少しでも快適に過ごせるようにと思って続けました。

17歳と2ヶ月。最後まで私たちの目を見て旅立ってくれました。病気を早く知って、きちんと付き合っていけたことが、長生きにつながったと思っています。

体験談3|歯周病を放置して後悔したケース

飼い主:30代男性・神奈川県在住/愛犬:ルナ(6歳・スムースコート)

正直、歯磨きは嫌がるし、あまり気にしていませんでした。口臭が気になり始めたのは3歳頃。それでも放置していたら、ある日急に歯茎が腫れ、食事を拒否。病院に連れて行ったときには、歯周病が進行していて、5本抜歯することになりました。

麻酔と処置費用で約7万円。何より、痛い思いをさせてしまったことに本当に反省しました。

それ以降は、週に3回はしっかり歯磨きしています。今は状態も安定していますが、『放っておいてはいけなかった』と強く感じました。

まとめ

どの体験談にも共通していたのは、「もっと早く気づいていればよかった」「あのとき受診してよかった」という気持ちです。病気を完全に防ぐことはできなくても、早期発見と適切な対応は確実に結果を変えます

この章の体験が、あなたと愛犬の健康管理に少しでも役立てば幸いです。

第8章|よくある質問と答え(Q&A形式)

チワワの病気に関して、飼い主の方からよく寄せられる疑問や不安について、Q&A形式でまとめました。獣医師の見解や飼育経験をもとに、できるだけ具体的かつ実用的な回答を掲載しています。

チワワがよく震えるのは病気ですか?

必ずしも病気とは限りません。

寒さ、緊張、不安、低血糖、興奮などで震えることがありますが、原因が明確でない、長時間続く、ぐったりしているなどの場合は、神経疾患や内臓トラブルの可能性も。頻度や状況を記録しておくと、診察時に役立ちます。

涙やけは放置しても大丈夫?

原因によりますが、放置はおすすめしません。

アレルギーやドライアイ、鼻涙管のつまり、目の疾患が原因になっていることがあります。単なる見た目の問題ではなく、慢性的な不快感や皮膚炎につながる場合もあるため、早めに獣医師の診察を受けましょう。フードが合っていない可能性も高いです。

病院に行く目安がわかりません。どこまでなら“様子見”で大丈夫?

基本的に“普段と違う”と思った時点で、獣医師に相談するのが安全です。

以下のような症状は、“すぐに受診”が基本です。

  • 食事を丸1日まったく取らない
  • 嘔吐・下痢が続く
  • 足を引きずる、痛がる
  • けいれんや呼吸困難
  • 目やにが多い、目を開けられない

「ちょっと気になる」くらいの段階で行く方が、軽症で済むことが多いです。

ワクチンや健康診断は何歳まで必要ですか?

一生涯、継続することが望ましいです。

ワクチンは病気予防の基本であり、加齢によって免疫力が下がるシニア期こそ、感染症のリスクが高くなります。また健康診断も、年齢を重ねるごとに“年1回から年2回”に頻度を上げて早期発見を意識しましょう。

ペット保険には入った方が良いのでしょうか?

高額治療の備えとしては有効です。

特にチワワは、手術や通院が長期化しやすい疾患が多いため、いざというときの安心材料になります。ただし、すべての病気や処置が補償されるわけではないので、契約前に補償範囲や自己負担の条件をしっかり確認しましょう。

獣医にかかる前に、自分でできるチェック方法はありますか?

毎日の観察が最大のセルフチェックです。以下のポイントを定期的に確認しましょう。

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赤み・濁り・目やにの量
乾燥・鼻水の色
歯ぐきの色、口臭
汚れ・におい・かゆがる動作
歩き方、痛がり方
排泄便の色・硬さ・頻度

異常が見つかった場合は、すぐに写真や動画を撮って記録しておくと、診察時に役立ちます。

この章のQ&Aは、これからチワワを飼う方だけでなく、すでに飼っている方が「気になった時すぐ確認できる」ような“病気の基本辞典”として活用できます。

まとめ|“知識こそ最大の予防薬”として飼い主にできること

チワワは見た目の可愛らしさと裏腹に、非常に繊細で病気のリスクが高い犬種です。体が小さい分、症状の進行も早く、わずかな異変が命に関わることもあります。しかしその反面、飼い主の知識と日々の観察によって、多くの病気を予防・早期発見できるのもまた事実です。

この記事では、代表的な病気の特徴と対策、年齢別の注意点、緊急時の対応、保険の活用法、実際の体験談など、実用的な情報を幅広くお伝えしてきました。どの情報にも共通しているのは、「備えがあれば慌てずに対応できる」ということです。

飼い主が持つべき最大の武器は“正しい知識”と“日々の観察力”です。愛犬の命を守れるのは、毎日そばにいるあなたしかいません。

チワワの寿命は10年以上。長い時間を共に過ごすためには、病気と正しく向き合う準備と意識が必要です。

「病気になってから調べる」のではなく、「病気になる前に学ぶ」ことで、後悔しない選択ができますように。

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この記事を書いた人

子供の頃から動物が大好きです!今は保護犬チワワの「とてち」とマンチカン「こいけ」、保護猫の「こまつ」と生活しています。トリマーをしながら栄養士の資格も取得しようと奮闘中です。

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